【イベントレポート】子どもがつくる学級ーロイロでつながる子どもの空間ーLEG熊本プチイベント2025
2025年9月6日(土)に、熊本市立本荘小学校で実施されたLEG熊本のイベントレポートです。
今回のイベントでは、まず西尾環先生より、フレンドリーオンラインでどのように子どもたちとの関わりを生み出されているのか、実践をご紹介いただきました。
また、スペシャル講師として、白百合学園小学校の浜屋 陽子 先生を熊本にお招きし、子どもたちへの言葉かけや心理的安全性を高める学級づくりのあり方について、ワークショップを実施していただきました。
フレンドリーオンラインと心理的安全性
西尾 環 先生(熊本市立本荘小学校フレンドリーオンライン)
フレンドリーオンラインとは?
熊本市では、学校への登校が難しい児童生徒への学習支援として、教育ICTやロイロノートを活用したオンライン学習支援(フレンドリーオンライン)を行っています。心の居場所づくりと学習機会の保障をコンセプトに、子どもたちの社会的自立を支援しています。
参考リンク 熊本市フレンドリーオンラインについて
学習保障のために
「オンラインの限られた時間内では、国語や算数など教科の学習では、どうしても一斉授業になる。しかも子どもの実態も学習経験もバラバラ。だから、課題を容易にしたり、ロイロノートで教材やカードをやりとりするなどの工夫をしている。」と話されました。「クリエイティブタイムでは、最初の5〜10分間をレクチャーにあて、その後、子どもが一人で制作する時間を25分ほどたっぷりとり、ラストは全員で提出された作品を鑑賞するというスタイルをとっている」と紹介されました。
また、Zoomのチャットを活用して、子どもたち同士の対話活動やリアクションも促すことで、オンラインでありながらも子どもたち同士のつながりが生み出されていると語られました。
心の居場所づくりのために
「笑・楽・安」をモットーに、6人の先生方同士で、毎日楽しい配信を心がけていると語られました。例えば1日のスタートをクイズからスタートしたり、クリエイティブな学びを生み出す仕掛けを取り入れたりなど、子どもたちがワクワクしながら学ぶことができるように工夫しているとのことでした。そのような活動を継続して実施されているため、朝の参加率がとても高いと話されました。
子どもたちのアンケートでは、「楽しい」「面白い」だけでなく、「勉強したい」という思いを持っている子が多かったと紹介されました。
心理的安全性とペップトーク
浜屋 陽子 先生(東京都 白百合学園小学校)
最高のオーディエンス(観客)
心理的安全性を高める最初のワークとして、「すてきな聞き方あいうえお」「ほめ上手のさしすせそ」を紹介されました。ただ反復するだけではなく、浜屋先生の自己紹介と提示されるフリップに合わせて拍手や相槌も交えながら、リアクションを行いました。参加者同士もクラゲチャートを使って自己紹介を行いました。すぐに会場が温かい雰囲気に包み込まれました。
ニックネームトス
「〇〇(わたし)!〇〇(あなた)!」と名前を呼びながら、ボールを渡すように言葉を投げます。受け取る側は「はーい!」と言いながら受け取ります。
人は自分の名前を呼ばれるだけで嬉しくなります。また、オーバーリアクションで大きくジャスチャーをすることで、周りからも受け入れてくれているという安心感を感じることができます。明日から実践できるくらい簡単なワークですが、大きな効果がありそうですね!
心理的安全性とは
心理的安全性の高い教室とは?低い教室とは?という質問に対して、参加者それぞれの考えを共有ノートを使って集約しました。笑顔や肯定など、さまざまなキーワードが生まれていました。
文部科学省も全ての活動の基盤として心理的安全性の重要性を提示しています。浜屋先生は、学級でも職員室でも学校でも、心理的に安全なチームを形成しようとすることが重要だと言及されました。特に、「先生は環境」であり、「先生がご機嫌でいること」が最も子どもたちの心理的安全性につながると語られました。
失敗を祝福!
失敗に対して「恥ずかしい」「人に迷惑をかけてしまう」とマイナスの感情が染み付いている子どもたち。あえて失敗を誘発させるゲームの中で、失敗へのイメージを変えていきます。
今回は「僕ボブ」ゲームを行いました。「僕ボブ、〇〇(相手の名前)」「僕ボブ、僕ボブ、〇〇」と回数を重ねるごとに、僕ボブが増えていき、言い間違いをしやすくなります。言い間違い(失敗)をした際には、グループで「イェーイ!」とハイタッチをします。失敗も肯定的に受け止める雰囲気が漂い、より心理的安全性が高まっていました。
ペップトークとは?
ペップトークは、ポジティブな言葉を使ったコミュニケーションスキルです。もともとアメリカでスポーツの試合前に監督やコーチが選手を励ますために行っている短い激励のスピーチから生まれました。
「相手のため」と思ったポジティブな言葉でも、言い方やタイミングによっては反対のネガティブなペップトークにもなってしまうと話されました。
まずは自分をペップで
先生はどうしても「相手のため」を思いすぎるあまり、一番大切な自分を置き去りにしてしまいがちと話されました。自分を見つめる、自分を満たすというセルフペップの実践を勧められました。
子どもたちも実践できる活動として、「3・3・7ペップ」という活動を紹介されました。3・3・7拍子のリズムに合わせて、自分を応援するフレーズを考えます。運動会などの行事前に実施すると、競技前・演技前に安心感をもたらすことができると紹介されました。
ペップトーク3つのコツ
ペップトークを実践する3つのコツとして、以下の3つを紹介されました。
「捉え方の変換」→ネガティブなことをポジティブに変えてみる
「あるもの承認」→ないものではなく、その周りのたくさんの「ある」に目を向ける
「してほしい変換」→「〜しない」ではなく、「〜しよう」と相手にしてほしいことを伝える
最後はセルフペップイメージを考える
最後は自分のためにできるセルフペップイメージを考え、宣言しました。
浜屋先生のお話の後は、参加者からもっと深掘りしたいことや聞きたいことを共有ノートで集約して、質疑応答の時間をもちました。
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