【イベントレポート】Next GIGA語ろう!2026 第4回 シンキングツールで実現する学びとは?


2026年2月13日(金)に開催されたオンラインイベント「Next GIGA語ろう!2026」のレポートです。
第4回目は、黒上晴夫 氏(関西大学教授)にご登壇いただきました。
シンキングツール(思考ツール)を “どう使うか” にとどまらず、教室・学校・自治体に “思考する文化” をどのように根付かせていくのかについて、理論と実践の両面からご紹介いただきました。


目次


学習指導要領とAI時代の「考える力」
AI利用が前提の社会における「学校の存在価値」
学習指導要領改訂における情報活用能力の取り扱いの変化に触れつつ、AIの進化について言及されました。子どもたちがAIを利用することは避けられない状況にあり、他者から得た情報や検索で得た情報、さらにはAIとの対話を通じて得た情報であっても、それを出発点として「自分なりに考え、文章にまとめたり他者に伝えたりすること」が大切であるとお話しいただきました。
また、AIをもとに考えたことを他者と議論する場面をつくることこそが、これからの学校の大事な存在価値になると示されました。

メタ認知を促し「学びに向かう力」を育む
「学びに向かう力」を育むうえで、自分の思考や行動を客観的に捉える「メタ認知」が重要であるとお話しいただきました。自分の考えをメタ認知し、自己調整しながら修正していく力がより一層求められています。
そのための手段として、シンキングツールを活用し、自分の思考や情報を整理する思考プロセスの可視化が役立つとご紹介いただきました。さらに、同じツールを共有することで、どのようなプロセスで考えているのかを互いに理解しやすくなると示されました。


シンキングツールを活用した実践事例
情報のインデックス化から長文作成へ(国語・作文活動)
小学校2年生が校外学習で体験したことを、740文字にわたる作文としてまとめた事例をご提示いただきました。はじめから文章を書くのではなく、シンキングツール上で出来事や感想を整理することで、長文の執筆が可能になると説明されました。
また、「大造じいさんとガン」の授業では、クラゲチャートを用いて本文と自分の考えをセットにして書き出し、それらを総括して自分の考えをつくり、他者への説明へとつなげていくプロセスが紹介されました。

情報を組み立てて表現する(英語・社会・特別支援教育)
国語でのクイズ作りや、英語のラーメンCM制作など、多様な実践事例をご紹介いただきました。ラーメンCM制作の活動では、Yチャート上に味や材料などの情報を整理し、そこから何をどのように伝えるかを考えながら、CMの絵コンテを組み立てていくプロセスが示されました。このように、ツール上の情報を組み立てる過程が最大の思考場面であると言及されました。
中学校の公民では、キャンディチャートを用いて「自由権がなくなったらどうなるか」を考え、権利の関係性を自分の言葉で説明する実践が紹介されました。


「考える場面」を作る授業デザイン
「思考スキル」と「シンキングツール」の連携
授業の「めあて」と、分ける・比べるといった思考スキルを関連付ける授業づくりについてお話しいただきました。思考スキルとシンキングツールが子どもたちの頭の中で結びつくことで、「イメージマップを使うなら考えを広げるんだ」「キャンディチャートなら予想するんだな」と、子どもたちの中に考える文化が根付いていくと紹介されました。
また、こうした取り組みをあらゆる教科で一貫して行うことで、教科同士が思考スキルによってつながり、教科横断的な学びへと発展していくことが示されました。
思考スキルは手順
アイデアや情報を整理する「Step1」、文章を書く・説明する「Step2」という2つの段階を分けて捉え、単元をデザインすることの重要性が語られました。また、思考スキルは手順であり、Step2のアウトプットを生み出し、より豊かにするための道具であると強調されました。

ワークシートとシンキングツールの往還
シンキングツールの活用目的は、日常的にアイデアや情報を箇条書きで整理・一覧化する点にあるとお話しいただきました。また、シンキングツールは自動的に考えを生み出すAIではなく、自分で考えをつくり出すための「計算用紙」のような存在であるとも言及されました。そのため、ツール上で整理すること自体を目的とするのではなく、そこから新たな考えを生み出すことが重要であると強調されました。
さらに、従来のワークシート中心の授業において、途中でシンキングツールに「出張」し、アイデアを整理する時間を設ける工夫が紹介されました。ツール上で整理した内容を再びワークシートに戻して書くことで、自分の言葉として定着し、より具体的で深い内容へとつながると説明されました。

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