【認定校研修会レポート】敬愛小学校の職員研修公開 〜安心安全な学級づくりの声掛け・ロイロ活用のコツ〜

【認定校研修会レポート】敬愛小学校の職員研修公開 〜安心安全な学級づくりの声掛け・ロイロ活用のコツ〜

2024年7月30日に敬愛小学校で開催された、ロイロ認定校特典研修会についてお伝えします。
心理的安全性のある学級づくりの方法や子どもへの声かけの方法をロイロを使いながらじっくりと学びました。
ロイロのイベントでは珍しい学級経営や個別支援に特化したイベントの様子をお伝えします。

心理的安全性×ロイロ
白百合学園小学校の浜屋陽子先生(心理的安全性インプロファシリテーター・アンコンシャスバイアス研究所 認定トレーナーほか)より、心理的安全性のある学級づくりについて学びました。
学級の中ですぐに実践することができる様々なワークをご紹介いただきました。

ニックネームトス
グループで「私→あなた」「はーい!」と言葉のキャッチボールを行います。
名前を呼ばれるだけで温かい気持ちになり、心理的安全性のある空気を作り出すことができます。

心理的安全性とは?
「心理的安全性が高い教室とは?低い教室とは?」というテーマに対して、共有ノートを使って自分の考えを書き込みます。参加者それぞれが持っている心理的安全性のイメージを共有しました。
「良い学習は良い関係の上にしか成り立たない」という考えのもと、関係づくりを意図的に仕組んでいくことが教師の大きな役割であると述べられました。教師が自ら、時には仕掛人となり、時にはムードメーカーとなり、子どもたち同士の関係づくりを行なっていく大切さを語られました。
反対に、失敗のイメージをみんなで共有した後、あえて失敗を誘発する「僕、ボブゲーム」にみんなで取り組みました。
1人目「僕、ボブ→〇〇さん」「僕、ボブ。僕、ボブ→〇〇さん」と順番にボブの回数を増やしながら、相手にパスするワークです。誰かが言い間違えたら、「イエーイ!」とみんなでハイタッチをします。失敗してもOKという雰囲気が徐々に高まり、自然とみんなの笑みがこぼれます。
クラス内で数回実践すると、失敗は悪くない・怖くないという空気が生まれるだけでなく、"失敗は宝物"という雰囲気がクラス内に浸透し、授業中もお互いの失敗を認め合うことができるようになると話されました。
ハッピー・サンキュー・ナイス探し
今日、自分の身の回りで起きたハッピー・サンキュー・ナイスなことを共有するワークです。
毎日、健康観察の時間に「ハッピー・サンキュー・ナイス」を発表することで、自己肯定感が高まるだけでなく、友達の良さにも自然と目が向くようになり、心理的安全性が向上します。
共通点探し
ペアで交互に共通点だと思う事を言い合い、同じであれば「イエーイ!」異なる場合は「フッフ〜」と軽く反応するワークです。相手の話をもっと聞きたい!相手のことをもっと知りたい!と思えるようになり、自然と傾聴力を育むことができます。
「最高の観客」という言葉を使い、相手の気持ちを受容する大切さを伝えられました。「すてきな聞き方あいうえお」や「ほめ上手のさしすせそ」など反応の方法を子どもたちにも提示することで、心で聞く姿勢を育むことができると紹介されました。
ペップトーク
香里ヌヴェール学院小学校の乾倫子先生(日本ペップトーク普及協会講師 ペップティーチャー代表ほか)より、子どもたちをポジティブに声をかけていくペップトークについて、ご紹介いただきました。
子どもたちへの声かけ・関わり方の極意を参加者同士の交流活動を中心に学びました。

ペップトークとは?
ペップトークは、ポジティブな言葉を使ったコミュニケーションスキルです。もともとアメリカでスポーツの試合前に監督やコーチが選手を励ますために行っている短い激励のスピーチから生まれました。
「ペップ」は英語で、元気・活気・活力という意味があります。ただポジティブな言葉を投げかけるのではなく、「自分からやりたい」という気持ち(内発的動機づけ)を相手に湧き立たせるのがペップトークだと話されました。
人の幸福度は、学歴や収入ではなく、自己決定によって決まると言われています。内発的動機付けを大切にしたペップトークは、まさに自己決定を促すことができるコミュニケーションスキルだと紹介されました。
誰をいつ励ましたいか?誰に励まされたいか?
トークスキルは磨くことができます。しかし、伝えたいという思いは自分の中にしか持つことができず、磨くことができません。話し方を上達させる前に、「いつ」「誰を」励ましたいのか?応援したいのか?を明確に意識することが大切だと語られました。
人を伸ばすには2つの欲求(承認欲求・貢献欲求)が満たされることが重要です。承認欲求だけを満たせば他者への依存が強くなり、貢献欲求だけを満たせば人の目を気にしてばかりになります。どちらも満たされることが重要だと言及されました。
励ます側が「誰を」励ましたいのかと同じように、励まされる側にとっては「誰に」声をかけてもらえるかが重要となります。そのためには、「I‘m OK. You're OK.」の信頼関係を築くことが大切だと述べられました。
学歴や地位などの目に見えるものが信用、目に見えないものが信頼です。信頼を積み上げることがペップトークにおいては重要です。
まずは自分を励ますセルフペップを!
自分の心に余裕がなければ、相手を励ますことはできません。まずは自分をペップトークで満たしてあげることが必要だと話されました。
同様に、相手の心にも余裕がなければ、どんなに良い言葉でも受け止めてもらうことはできません。相手の思いを傾聴・受容することで、余裕を生み出してあげることが最初のステップだと解説されました。
ペップトークの入り口は言葉から!
人は欠点・欠けている部分に目がいってしまいます。しかし、「ない」部分ではなく「ある」ものに目を向けることが大切だと語られました。乾先生がうるさい子、すぐケンカをする子、言いたいことを言えない子、など様々な場面をフラッシュカード形式に提示し、参加者がポジティブに変換する練習を行いました。
言葉には温度があるため、感情を伝えるだけではなく、行動を示すことが大切だと話されました。「〇〇したらだめ!」で終わらず、「だから〇〇するんだよ」と対句法で分かりやすく伝えることで、聞いた側はポジティブに受け取ることができ、前向きに行動することができると話されました。
自分や相手の性格や人格をいきなり変えることはできません。しかし、一番小さな自分が発する言葉は意識して変えられると述べられました。
「〇〇しなかったら〇〇できないよ!」ではなく、「〇〇したら〇〇できるよ!」のように、自分の言葉に目を向けて生活することで、自分の内面を少しずつ変えるきっかけになるのです。

今回は、様々なアクティビティをもとにした学級集団へのアプローチと言葉かけ・ペップトークをもとにした個へのアプローチの方法を学びました。
まずは、先生自身が自分を励ます""SELF PEP"から実践していきたいですね!

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