【Windows】愛媛県松山市教育委員会の取り組み

【Windows】愛媛県松山市教育委員会の取り組み

全小中学校でGIGA端末(Windows)を非常によく活用している愛媛県松山市の取り組みをまとめました。
インタビュー動画
2022年3月12日のイベントのアーカイブ動画です


松山市の端末・環境整備状況
端末利用開始時期について
松山市では令和3年度2月に利用するICT機器や学習支援ソフトなどのアプリが整備され、利用がスタートしました。
松山市での各学校の環境について
松山市では以下のような環境でGIGA端末の運用をスタートしました
端末
小学校、中学校ともに1人1台Windowsタブレット
その他環境
ロイロノート・スクール、デジタル教科書、ドリルアプリなどの利用
各教室に大型ディスプレイを配備

松山市教育委員会での取り組み
松山市教育委員会での取り組みについてまとめます。
組織づくりと研修のロードマップ
松山市では、端末の利活用推進のために、先生方の組織づくりや、研修のロードマップの作成を行いました。
組織づくりについて
教育長・局長・次長・関係課長からなる推進委員会のほかに、専門部会をもうけ、それぞれの専門部会が独自に取り組みを進めることができる組織づくりを整えました。
専門部会での活動例
教科などICT活用部会
「松山の授業モデル」を設定し、「学習課題の設定」「交流し考える学習」「学習の振り返り」を軸とした授業モデルを策定
各教科でのICT活用の具体的なイメージを提示
情報活用能力育成部会
発達段階に応じた児童生徒の情報活用能力育成目標を策定
特別支援教育ICT活用部会
特別支援教育ICT活用だよりの発行など、特別支援教育でのICT活用事例の共有
教職員ICTスキル向上部会
教職員向け研修計画の策定
ICT環境整備部会
セキュリティポリシーの改定
研修のロードマップ
持ち帰り・家庭学習での利用も前提としたICT利活用推進のために、端末導入前研修も含めて、先生方の活用ステップと研修のロードマップを作成しました。このロードマップにより、「導入してからの現場で活用する」までを見据えた先生方向けの研修を実施できました。

先生方向けの研修について
端末導入前の研修
松山市では、令和3年度2月の導入後のスムーズな端末の利活用を目指して、令和2年度の夏休みから操作研修をスタートしました。
前教職員が端末導入前に十分なスキルがみにつくように、「校内リーダーによる校内研修」「個別研修」「既存の教員研修での活用研修」 など、多様な研修が行われました。

校内ミドルリーダーの育成と校内リーダーによる校内研修
校内での研修を担当するミドルリーダー向けの研修をおこない、リーダー研修受講者が各学校に向けて必ず1回は研修をおこないました。

個別の研修
リーダーによる校内研修とは別に、
フォローアップが必要な先生方向けの基礎研修
より高いレベルの実践を求める先生方むけの大学連携セミナー
学校のニーズに応じた指導主事による訪問研修
など、さまざまな個別研修も用意しました。
既存の教員研修での活用研修
初年度研修・2年目研修・中堅研修など、既存の教員研修の枠組みの中にもGIGA端末の活用研修を盛り込みました

端末導入後の研修
端末導入後は、令和2年度中に達成すべき目標を明確にさだめ、研修を通じて実際の活用のイメージを先生方と共有するとともに、各学校で端末の活用ルールなどを共有し、スムーズな活用を推進しました。
また、より良い活用ができる先生方を増やすために、フォローアップ研修も随時実施しました。

教員以外にもALTや、ICT支援員に対しても積極的に研修をおこないました。
持ち帰りでの活用について
松山市では、令和3年12月より持ち帰りの試行をおこない、令和4年2月より、本格的な全校での持ち帰りをスタートさせていています。
持ち帰りでの活用は家庭学習の推進などに貢献する一方で、さまざまな管理上のトラブルが懸念されます。そこで松山市では、令和3年6月末から段階的に準備・試行を重ねることで持ち帰りでのスムーズな活用を促進しました。

STEP1:アカウントの持ち帰り(令和3年6月末から)
令和3年6月末から家庭の環境でロイロノート・スクールのアカウントの持ち帰りが行われ、各家庭の端末でのロイロノート・スクールの利用がスタートしました。持ち帰ったアカウントで学校と家庭をつなぐ活用が推奨され、ニーズに応じて必要な研修も実施されました。
STEP2:端末持ち帰りの試行(令和3年12月から1月末)
令和3年12月末から各学校で端末の持ち帰りの試行が行われました。
各学校の希望者が端末の持ち帰りをスタートし、6月末からはじめている各家庭の端末での使用と並行して行われました。
最終的にはほとんどの家庭が学校端末の持ち帰りの試行に参加する形となりました。

STEP3:端末持ち帰りの本格実施(令和4年2月から)
令和4年2月より、端末持ち帰りでの活用が本格実施されました。端末を持ち帰ることで、これまで実施が難しかった家庭学習での活用が効果的におこなわれています。

オンラインでの学習補償について
松山市では、各家庭の端末や、学校から持ち帰った端末を活用することでオンラインでの学習補償を効果的におこなっています。
令和3年6月末からの家庭端末での活用の試行、12月末からの持ち帰り端末の活用の試行の実践の効果もあり、
令和4年1月からの新型コロナウイルス第6波による感染拡大の際には、出欠席の連絡や家庭学習のサポートなど、様々な面でGIGA端末・ロイロノート・スクールが活用されました

先生方への情報共有
松山市では教育研修センターのHP「まつラボ」を通じてさまざまな情報共有が行われています。
HPを通じて、先生方はICT活用事例ややオンライン授業での端末の活用方法について学ぶことができるほか、センターが提供している教材も活用することができます。
参考リンク  まつラボ
市内の先生方の反響と今後の展望
松山市では、「持ち帰りの利用」を前提とした端末導入前からの研修計画によって多くの先生方がGIGA端末を活用した授業を実践しています。
今後も、ICTを活用した新しい時代の学びのアップデートに取り組まれています。


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