オンライン授業に向けての準備(広島城北中・高等学校 飯盛 聡士先生)

オンライン授業に向けての準備(広島城北中・高等学校 飯盛 聡士先生)

「オンライン授業を開始するのかどうかまだわからない・・」「自治体や学校の対応がまだ定まっていない・・・」
そんな時に、オンライン授業が開始したときに備えて今からできることは何か?を考えていく取り組みです。
広島城北中・高等学校で実際おこなわれたさまざまな取り組みをもとに、自分の学校で何ができるのかを考えてみてください。

発表動画 


広島城北中学校・高等学校でのとりくみ
広島城北中学校・高等学校では、2020年度の緊急事態宣言発令にともなう休業要請期間中に、全学年を挙げてオンライン授業にとりくみました。

2020年2月から6月のオンライン授業の取り組みの流れ
全学年のオンライン授業の開始までには、さまざまな試行錯誤がありました。
オンライン授業の実施・展開の取り組みをまとめました。
環境
職員間の連絡:meet
オンライン授業の配信:zoom
2月
2月27日に一斉休業要請が発出される。ICT担当者間で打ち合わせ。
ロイロノート・ClassiのID・パスワード再確認を翌日に行い、zoomアプリを生徒端末に翌日中に配信
3月
3月3日(午前中 登校・午後 休業)
登校中にzoom・ロイロ・Classiのログインを各クラスで確認
3月4日
ライブ配信、録画配信の両面で授業を担当者が試行
「ライブ配信を軸にするほうが継続しやすいのでは?」と感じる
生徒からフィードバックをもらい、参加する先生を少しずつ増やしていく
3月中
まずは、全学年課題のやりとりをおこなう
その後、一部の学年からzoomをつかった授業をスタートする
生徒からもフィードバックをもらい、トライアンドエラーを繰り返す
4月
緊急事態宣言発令にともなう休校措置がとられ、zoomやTeamsなどの運用をスタートする
午前中4時間のオンライン授業の時間割を作成
学年会ベースでzoomの使い方研修をおこなう。

5月
全校一斉オンライン授業開始。900コマの授業の大半を最終的にはオンライン化
端末を所持していない学年については、紙資料でのやりとりとyoutubeでの動画配信をおこなった
6月
臨時休校期間終了。オンライン授業に関するアンケート結果をまとめる。

オンライン授業での実践風景
中学1年生から高校3年生まで、様々な科目でオンライン授業での実践がおこなわれました。

授業実例
配信器具の工夫
理科の実験器具をつかってカメラを固定して、ノートで書いている内容を配信していました。
板書を配信する場合にはかなり大きめに板書を行いました。
手書き機能がつかえるツールをつかって、生徒の提出物をリアルタイムで添削しているところを中継して配信しました
オンラインならでは!
地理の授業で生徒の冷蔵庫にはいっていた「エビ」を話題に授業を展開しました。自宅にいるからこそできる話題の展開です。
卒業生と zoomでつないで、大学での学びや進路指導・進学指導を行ってもらいました。感想もロイロをつかってフィードバックをおこないました。

オンライン授業・休校期間の生徒からの反応
オンライン授業では、対面授業に比べて「生徒と先生とのつながり」を感じにくく、孤独を感じやすいことが課題になっています。また、生活リズムの確保も課題となっています。
休校期間終了後の生徒からのフィードバックによって、広島城北中学校・高等学校では長期間にわたる休校にもかかわらず、学校とのつながりや、生活リズムをくずすことなく生活できていた生徒が多いことがわかりました。

設問1 学校とのつながりを感じるか?
4段階の評価のうち、「できた」(38.1%)・「まあできた」(48.4%)の合計が86.5%でした。
ほとんどの生徒がオンライン授業期間中も学校とのつながりを感じることができていたことがわかります。

設問2 ともだちとのつながりを感じるか?
4段階のうち、「できた」(21.9%)、「まあできた」(30.1%)の合計が52.0%でした。
半数以上の生徒が2ヶ月間の休校期間中でもともだちとのつながりを感じることができていたことがわかります。

設問3 1日の生活リズムを整えることができているか?
4段階のうち、「できた」(44.1%)、「まあできた」(36.7%)の合計が80.8%でした。
8割以上の生徒が2ヶ月間の休校期間中でも生活リズムを整えて生活できていたことがわかります。

オンライン授業実践のポイント
オンライン授業の取り組み成功のポイントをまとめました。
マインドが最重要
仕組みやシステムもとても重要ですが、教員自身や学校組織が生徒や保護者を思うマインドが最重要です。

「コロナ対策」にとどめない
オンライン授業のしくみは、コロナ禍に限定するのはもったいない!
毎年のように発生する自然災害、補講、学外とのつながりなど応用の幅はとても広いです。

「非常時」は「トリアージ」的な発想を
全児童・生徒の学習がとどこおると、後からのフォローに必要なエネルギーと時間はとても大きくなります。
限られたリソースをどう割くのか、取捨選択してデザインするのがリーダーにとって、とても重要です。

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