中学 理科 植物の呼吸を調べよう【実践事例】(滋賀県守山市立明富中学校)

中学 理科 植物の呼吸を調べよう【実践事例】(滋賀県守山市立明富中学校)

中学校理科における実験結果・考察の表現力を高める協調的問題解決

ロイロノート・スクールを活用して実験結果をわかりやすく伝え合う活動を通じて、表現力を高める理科授業を展開します。

実験の前に、「植物はどこで呼吸しているのだろうか?」という疑問についてそれぞれ考察し、数名の生徒の考えを全体で共有します。
その後、実験・観察において、植物の根・茎・葉・花・果実・種子を入れて暗所に1日置いたフィルムケース内の空気を、BTB溶液を入れた注射器で吸い取り、色の変化によって呼吸の有無(二酸化炭素の有無)を確認します。実験結果を撮影した画像にロイロノートで書き込んだり、テキストカードを追加して考察を記入し、教師に提出します。他のペアが提出した実験結果を共有し、自分たちの実験結果と比較・検討します。
最後に、課題に対する自分の結論をワークシートに記入します。限られた時間内で植物のすべての部位の結果を確認でき、他のペアの結果や考察を共有することで、異なった表現方法や考察を学ぶことができ、多様な視点で結論にたどり着くことができました。

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ロイロノート導入のメリット

ロイロノートの画面配信で生徒用タブレットに提示することで、教師が作成したスライドを見やすく、伝わりやすく、大幅な時間短縮が実現できた。また同時に、板書もロイロノート上で画面配信しながら行うことができ、内容の精選・充実につながった。

ロイロノートで、実験後の発表の提出を行うことで、生徒の表現手法が多岐にわたり、紹介事例以外の授業・強化においても、生徒発想でロイロノートを使った発表・プレゼン活動が行えるようになった。

また、他者の意見から学ぶ機会・態度の充実を図ることができた。

生徒自らが選択して他者の考えを確認し、必要な情報を取捨選択する中で、判断力・思考力の向上がうかがえた。

また、他者に伝えることを前提に実験・観察を行うため、記録を残す意識、残す手法が自然と身に付いてきており、他の実験・観察においても生徒が主体的に活動を進めることができるようになった。

実践の目標

ロイロノート上で画像やテキスト入力、手書きを用いて実験結果をまとめ、他のグループにわかりやすくできる。

他のグループの結果と自分たちの結果を比較・検証することで、課題に対する自らの結論を表現できる。

実践の場面
1. 疑問を提起する

「植物はどこで呼吸しているのだろうか?」という疑問をロイロノートの「画面配信」を活用して、各ペアのタブレット画面に表示させ、生徒ひとりひとりが自らの考えをワークシートに記入する。
画面配信を活用することで、広い理科室内でもひとりひとりの生徒が手元の画面で疑問を確認することができた。

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2. 考えを共有し、学習課題を確認する

数名の生徒の、さきほどワークシートに記入した内容を教師がタブレットで撮影する。撮影した画像をロイロノートでカードにして各ペアのタブレットへ送り、考えの共有を行った。
各ペアのタブレットにカードにして送ることで、複数名の考えを比較したり、1時間の授業を通じて、随時振り返り、確認することができた。

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3. グループで実験を行う

あらかじめフィルムケース内に植物の根・茎・葉・花・果実・種子の各部分を入れて1日暗所においておく。
その中から各グループで2つのフィルムケースを選び、BTB溶液を入れた注射器でフィルムケース内の空気を吸い取り、色の変化を確認する。この際、実験の様子や結果を撮影し、ロイロノートで記録しておく。

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4. 実験結果の考察を作成し、提出する

実験結果を撮影した画像にロイロノートで書き込んだり、テキストカードを追加して考察を記入したりする。それをまとめて、各ペアの実験結果の考察結果として教師に提出する。
教師が作成方法やフォーマットを指定するのではなく、各ペアが試行しながらわかりやすい方法で結果を提出する方が、多様な表現が見られた。

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5. 実験結果・考察を共有する

他のペアが提出した実験結果を、「回答共有」から確認し、自分たちの実験結果と比較・検討する。自分たちが実験した植物の部分以外の呼吸の有無を確認した。
教師は、提出された各ペアの結果から着目させたい結果をピックアップし、各ペアのタブレットに送り、考察のヒントにさせた。

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6. 課題に対する結論をまとめる

1時間の学習活動を通じて、課題に対する自分の結論をワークシートに記入する。他のペアの結果や考察をロイロノートの回答共有から確認することで、同じ植物の部位でも異なる結果となっている場合もあり、より深い思考を促すことができた。また、考察の表現方法も他のグループの表現を活動しながら、自分の言葉で表現することができた。

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