中1 社会 日本のさまざまな地域 ―日本の姿(時差の学習について)―【実践事例】(仙台市立広瀬中学校)

中1 社会 日本のさまざまな地域 ―日本の姿(時差の学習について)―【実践事例】(仙台市立広瀬中学校)

仙台市立広瀬中学校
齋藤 純教諭
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時差が生じる理由に迫る学習の過程の中で、アウトプットイメージを持って単元学習に取り組むことで、深い学びに迫る授業を展開します。

本時は、「なぜ、世界各地で時刻の違いが生じるのだろうか。~日本とフィンランドを題材に考えよう~」という単元を貫く課題を掲げて、単元を通じて学習してきた最終時限である。インターネット通話アプリ「Skype」を用いて、実際にフィンランドにいる本校の教師と交流する中で、時差が生じる理由に迫ります。
まず、前時までに学習した時差の問題を解き、学習内容について復習しました。
そして、Skypeでフィンランドにいる本校の教師とビデオ通話し、「時差」という現象を体験させました。Skypeとロイロノート・スクールを組み合わせて活用し、フィンランドにいる教師が作成した成田空港からヘルシンキ空港までのフライト時間が短くて驚いたという趣旨の課題動画を視聴しました。ペア同士で話し合い、なぜ課題動画のような現象が起きたのか説明するスライドを作成します。その後、前後のペア同士でプレゼンテーションを行い、他のペアのスライドを参考に自分達のスライドを修正して、再度プレゼンテーションを行いました。2回目のプレゼンテーションでは、1回目と比べてどのような点が評価できるか話し合いました。
最後に、完成したスライドをフィンランドにいる教師に送ります。教師が簡単なコメントを書いて生徒に返却することで、生徒たちの達成感を引き出すことができ、また学習の振り返りにもつながりました。

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ロイロノート導入のメリット

ロイロノート・スクールを用いたことで、動画の送受信や、完成したスライドの送信・返送などをすべてリアルタイムで行うことができました。Skypeとロイロノート・スクールを組み合わせることで、生徒にとって机上のみの学習になりがちな「時差学習」を、より具体的にイメージした学習内容に工夫することができました。

実際にSkypeを用いて授業を行うことができたのは1学級のみでしたが、ロイロノート・スクールを活用したことで、他の学級においても本実践に近い授業を行うことができました。


実践の目標

世界各地で標準時が異なる理由について関心を持ち、意欲的に時差に関する学習に取り組むことができる。【関心・意欲・態度】

世界各地の時差はどのようなしくみで生じるのかという問いについて、様々な資料や既習事項を基に分析し、自分の考えを適切に表現することができる。【思考・判断・表現】

日本とフィンランドの時差について、教科書の資料やインタビューで得た情報を適切に処理・活用することができる。【資料活用の技能】


実践の場面

1. 前時までの学習内容を復習する
ロイロノート・スクールで、前時までに学習した時差の問題(単純な計算問題)を生徒のタブレットに送り、解答・提出させた。提出箱の回答一覧画面を生徒に共有しておくことで、他の生徒が解答までに至る過程などを確認することができるため、短時間で前時までの復習をすべての生徒が行うことができた。


2. Skypeを用いて日本とフィンランドの時差を体験する
Skypeでフィンランドにいる本校の教師とビデオ通話をする。これにより、生徒は「時差」という現象を机上のものではなく、実際に存在するものであることを体験することができた。
ビデオ通話をした時の日本の時刻は午前10時、フィンランドの時刻は午前3時である。


3. 時差に関する課題動画を視聴する
Skypeとロイロノート・スクールを組み合わせて活用し、フィンランドにいる本校の教師が作成した時差に関する課題動画(成田空港を3月5日午前11時55分に出発した飛行機が、ヘルシンキ空港に3月5日午後3時に到着しており、フライト時間が短すぎて驚いたという趣旨の動画)をペアに1台のタブレット端末で視聴する。そして、ペア同士でどのような現象が起きているのかを話し合う。


4. 課題動画の現象について説明するスライドを作成する
実践の場面3で視聴した課題動画のような現象がなぜ起きたのか説明(解説)するスライドをロイロノート・スクールを用いてペアごとに作成する。この時、単に時差の計算問題を解決するのではなく、なぜ時刻の差が生じるのかなど時差の根本的な部分までわかりやすく説明するように注意を促し、よりアウトプットを意識したスライドを生徒が作成できるように声がけを行った。


5. プレゼンテーションの後、スライドを修正して再度プレゼンテーションを行う
完成したスライドを用いて、前後のペア同士でプレゼンテーションを交互に行う。その後、他のペアの発表などを参考にして、スライドを修正する時間を設ける。また、ペア同士のスライドの交換を認め、より学び合いの要素を強調するようにした。そして、2回目のプレゼンテーションを行い、ペア同士で1回目のプレゼンテーションと比べ、どのような点が評価できるかを簡単に話し合わせた。


6. スライドをフィンランドにいる教師に送り、コメントをもらう
実践の場面5までで完成したスライドをロイロノート・スクールを用いて、フィンランドにいる教師に送る。
教師がスライドに対して簡単にコメントを書いて生徒に返却することで、生徒の達成感や成就感を醸成することができ、また学習の振り返りにもなった。


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