中1 英語 英語3(分割授業:アクティビティに焦点を置いた授業)【実践事例】(慶應義塾中等部)

中1 英語 英語3(分割授業:アクティビティに焦点を置いた授業)【実践事例】(慶應義塾中等部)

慶應義塾中等部
江波戸 愼教諭
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生きた英語として音読できるように、協働学習で1つの作品を制作する活動を通して「学びの場」を創造し、英語の発話量が増える授業を展開します。

中学1年生約200名が米国人絵本作家アーノルド・ローベルによる作品『Frog and Toad』のシリーズの音読にペアで取り組みました。シリーズ内の『Spring』という作品はFrog、Toadの2人(匹)しか登場せず、ナレーターと合わせてペアワークとしては最適な設定です。
まず、ペアで登場キャラクターとナレーターの役割分担を決め、モデル音声を聞き、期待される発音を理解します。さらにアクセントや日本人英語学習者が苦手とする発音やイントネーション等を意識して練習していきました。練習を繰り返した上で録音に取り組みます。2人で同じタブレットに向かって発声し、録音が終わる度に自分の音声を聞き直します。発音の間違いに気付いたり、指摘し合いながら、納得するまで収録を繰り返しました。納得できる収録ができた後、音声を入力したカード上に役割分担を入力し、提出箱に提出します。

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ロイロノート導入のメリット

ロイロノート・スクールを用いて音読を録音する取り組みにより、これまでの音読指導と比較して、劇的に生徒個々の英語の発話量が増えました。

音読課題の提出までに、ロイロノート・スクールで録音した自分の発音を何度も聞き直し、設定した時間内で納得できるまで録音を繰り返すことができるため、満足度の高い成果を残すことができました。

これまでの全員が参加する対面での音読の発表で費やしていた時間と比べると、ロイロノート・スクールでは同時進行で録音ができ、完成したものをすぐ提出できるため、授業内で発表に必要な時間を大幅に短縮することが実現できました。

ロイロノート・スクールの提出箱から録音した音声を教員に提出することで、教員は録音された音声を何度も聞き直すことが可能になり、採点の質やフィードバックの質を向上することができました。

実践の目標

親しみを持てる登場キャラクターとナレーターになりきり、前者は感情移入をして、後者は臨場感を持って状況を表現できるよう、ペアで相談しながら工夫を凝らすことができる。

学習者同士の協働学習で1つの作品を制作することを通し、「学びの場」を創造することと同時に、 英語を発したくなる機会を提供し、発音する量を劇的に増やすことができる。

実践の場面

1. あらかじめ用意した教材を資料箱から取り出す
あらかじめPDF形式の音読用の作品スクリプトを資料箱にアップロードしておく。生徒は各自資料箱から教材を取り出し、ロイロノート・スクールで音読する本文を確認する。

2. ペアで役割分担を決め、発音の練習をする
登場キャラクターとナレーターの役割分担を決め、モデル音声を聞き、期待される発音を理解する。
さらにアクセントや日本人英語学習者が苦手とするth、f/vの音素の他、前後同士での音の影響(子音+母音の結びつきや音の混合)やイントネーション等を意識し練習する。そして、物語で登場する扉のノック音やカレンダーを破る音などの効果音を工夫する。
ペアでの協働作業のため、録音開始前にお互い不明なところを教え合い、間違いを指摘し合う「学びの場」が自ずと生まれる。
3. 英語らしい音読に取り組む
無制限に録音時間を与えても学習者の気持ちが引き締まらず、だらける傾向がある。録音時間を定めることで、ある程度テンポやリズムを意識した、英語らしい音読ができるよう集中するようになる。

4. ペアで録音を行う
ある程度発音上のポイントを理解し、練習を繰り返した上で録音に取り組む。2人で同じタブレットに向かって発声し、生徒は録音が終わる度に自分の音声を聞き直し、発音の間違いに気付く。あるいはパートナーから指摘を受ければ、納得するまで録音を繰り返す。設定時間内に録音できず悔しがる生徒もいたが、読み方のアドバイスに倣い、期待される音声を出せるようになれば、自ずと設定時間内に収録できるようになるため達成感が湧き、動機づけが増す。
5. カードに役割分担を記入して提出する
ペアのどちらかの名前で、ロイロノート・スクールにログインするため、録音した際のペアと役割分担が不明だと評価ができない。そのため、音声を入力したカード上に役割分担を入力することで混乱を避けることができる。条件がそろったことを確認し、提出箱に提出する。
6. 提出状況を確認し、採点する
教師は提出箱を開き、提出状況を確認する。教室のスクリーンに回答一覧画面を映写すると、クラスメイトの進捗状況を確認でき、お互いの刺激になる。

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