【イベントレポート】Next GIGA語ろう!2026 第3回 学習者主体の学びへの転換
2026年2月4日(水)に開催されたオンラインイベント「Next GIGA語ろう!2026」のレポートです。
第3回目は、木田 博 氏(鹿児島市教育委員会 教育DX担当部長)にご登壇いただきました。
「学習者主体の学びとは何か」という理論的背景だけに加え、学習者主体の学びを実現するために同市が取り組んできた具体的な実践についてもご紹介いただきました。
目次
なぜ今、学習者主体の学びへの転換なのか
教育DXの現在地と次の段階
教育DXには三つの段階があり、アナログをデジタルに置き換える段階から、学習モデルの構造そのものを変えるデジタルトランスフォーメーションへと高めていく必要があるとご紹介いただきました。
GIGA第2期を迎え、多くの学校がデジタライゼーション段階にある中で、デジタルトランスフォーメーションへの転換に進む学校が増えてきている現状についてもお話しいただきました。
社会の変化と求められる資質・能力
生成AIが普及する現代においては、これまでの「言われたことを言われた通りにできる力」から、「自ら課題を見つけ、解決する力」への転換が求められていると指摘されました。
OECDの調査では、ICT活用スキルについては比較的高い水準にある一方で、日本の子どもたちは自己調整的な学習への自信(非認知能力の一つ)が低いという結果も示されました。
子どもたちの認知特性は多様であり、自律的な学びの必要性や、学習者中心の学びの重要性が高まっていることについても言及されました。
「学習者中心の学び」と「個に応じた学び」
学習者中心の学びとは、学習者が自ら目標を立て、学びをコントロールし、振り返る一連のプロセスであるとご紹介いただきました。一方で、個に応じた学びは、学習者主体の学びを実現するための教師側の手段・方法であると整理されました。
また、この違いについて車の運転に例えて具体的に説明されました。個に応じた学びは必要条件であり、そこから学習者自身が選択・決定を行い、自ら学びのハンドルを握って進んでいくことが、学習者中心の学びであると示されました。
学習者主体の授業デザイン ― 3つのフェーズ
フェーズ1:自己決定の場をつくる
学習者主体の授業デザインについて、3つのフェーズに分けてご説明いただきました。まず、授業の枠組みは教師が設計しつつ、学習の順番や方法、アウトプットを子ども自身に選ばせる「自己決定の場」をつくることが重要であるとお話しされました。
具体例として、国語の物語づくりの単元をご紹介いただきました。従来は「物語の文章を書く→推敲する→挿絵を描く」という流れが一般的でしたが、「最初に挿絵を描く→膨らんだイメージをもとに文章を書く」といった進め方も、子ども自身が選択できることが大切だと説明されました。このような小さな選択の積み重ねが、「自分で決めてよい」という感覚を育てると語られました。
フェーズ2:学び方を委ねる自由進度学習
単元のゴールは教師が示しつつ、そこに至るプロセス(学び方)を学習者に委ねる「単元内自由進度学習」について、具体例とともにご紹介いただきました。また、教師の役割はファシリテーターであると示されました。
学習計画の作成や進捗の共有、リソースの選択を通して、学習者は自分のペースで学びを進めることができるとご説明いただきました。加えて、個々がバラバラに取り組むのではなく、どこで・どのような活動に取り組んでいるのかをデジタル基盤で可視化し、教師の見取りや支援、子ども同士の関わりに活かすことが重要であると述べられました。
フェーズ3:目標・評価まで委ねる自己調整学習
フェーズ3は、何を学ぶか、どのように評価するかまでを学習者自身が決定する最終段階であるとご紹介いただきました。あわせて、教師の役割はコーチやメンターであると示されました。
さらに、学習評価ルーブリックを常に示し、子ども自身が到達度を判断することの重要性についてもお話しいただきました。具体例として、従来教師が用いていた評価規準と生成AIを組み合わせることで、学習内容と子どもの実態に即したルーブリックを作成できるとご紹介いただきました。
教師の役割の転換
学習状況の可視化と授業評価
学習者中心の学びを充実させるためには、子ども一人ひとりの学びの進捗や変化を教師が把握できていることが重要であると強調されました。その具体的な方法として、スタディログやダッシュボードを活用し、学びの実現状況を把握する実践についてご紹介いただきました。
「教える」から「支える」へのシフト
教師の役割は、「教える」から「支える」へとシフトしていくことが重要であるとまとめられました。また、一斉指導を否定するのではなく、その割合を見直しながら、子どもが自ら選択・決定する時間を増やしていくことの必要性についても言及されました。こうした取り組みを段階的に進めることで、学びのあり方は着実に変わっていくと締めくくられました。
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