「自己調整学習とICT」LoiLo認定校サミット #2
12月26日、京都左京区のノートルダム学院小学校にて、「自己調整学習とICT」をテーマにした教育イベントが開催されました。
小学校部の認定校7校が京都に集合し、実践事例をご紹介いただきました。
さらに、一般参加型の4分間の授業実践プレゼンバトル「L1グランプリ」も開催!
自己調整をテーマに熱いプレゼンバトルが繰り広げられました!
L-1グランプリ
坂本 秀一先生(世田谷区立池尻小学校)
子どもが教材研究を始め出す 教科の見方・考え方 シンキングツールコード
使ったシンキングツールをコード化することについて発表していただきました。
ICT活用により、学びを可視化し、自己効力感や主体性を高めながら、過去の学びが未来の自分を支える自己調整学習の重要性を強調されていました。また、「国語がわかると算数もわかる」というように、教科間のつながりを意識した指導が生徒の学びをさらに豊かにすると述べられました。
佐藤 至大先生(宝仙学園小学校)
感謝と奉仕 誰でも簡単にできる 豊かな人間関係の形成
感謝の気持ちが書かれた「感謝と奉仕」の振り返りシートの実践例についてお話しいただきました。
提出箱を共有して他者参照ができる状態にしておくことで、生徒同士の豊かな人間関係の形成につながること、先生自身も毎時間「感謝と奉仕」の振り返りシートを書くことで、沢山のメリットがあったことを発表していただきました。
今井 脩先生(城南学園小学校)
もう一人の自分が育つ ロイロ×演劇でメタ認知!
役者が練習や稽古を重ね、本番やオーディションに挑む過程は、目標設定や計画、実行、振り返りといった自己調整学習のプロセスそのものであることお話しいただきました。
その実践例としてロイロノートの共有ノート機能を用い、単元のまとめを児童生徒がグループになって行う劇発表が紹介され、効果的な学びの共有と振り返りの重要性についてお話いただきました。
久冨 哲朗先生(亀岡市立詳徳中学校)
デジタルワークシートで自己調整学習
デジタルワークシートを活用し、生徒が自分の思考の変化や学習の履歴を可視化することで、自己調整力を高める取り組みを発表していただきました。また、共有ノートを活用し、クラスで協力してプレゼンを作る活動が、DAO(分散型自律組織)のベースになっていると述べられました。
合田 意先生(大手前高松中学・高等学校)
自分で作る リフレクションシート!
リフレクションシートのテンプレートを使っていくことから始め、無記名状態で回答共有をすることで、児童生徒の学習への動機づけを促す効果的なリフレクションシートの運用の仕方について発表していただきました。
ロイロ認定校による実践発表「自己調整学習とICT」
ICT機器を効果的に活用した学習者主体の学びの研究 〜BYOD形式一人一台iPad 10年目の小学校の実践〜
龍 達也先生(︎敬愛小学校校長)
初のロイロ認定校である敬愛小学校の取り組みについてお話しいただきました。
具体的には、同校が「ICTを効果的に活用した学習者主体の学びの研究」を進める中で、今回は子どもたちが自己調整を行いながら学びを進めている様子を中心にご紹介をいただきました。探究の方法や、調べるツール、また、発表の方法も自己選択させることで、子どもたちが未来を創るために必要なスキルを育んでいる様子をお話いただきました。
国語における自己調整学習
「算数×探究×生成 AI」で実現する自己調整学習
尾形 英亮先生・山本 雄登先生(︎宝仙学園小学校)
小学校2年生の国語では、「お話の作者になろう」をテーマに、物語の創作から朗読までを行う授業の実践についてお話しいただきました。事前にルーブリックを提示し、どのような点で評価されるのかを生徒に共有することで、学びの目標を明確にしていると述べられました。
算数における情報活用能力を育むため、「探究のサイクル」を教科授業に取り入れ、一人、ペア、グループ、先生、さらにはAIとの対話を通じて多面的に学ぶ機会を設けている事例もご紹介いただきました。
授業内外いつでも!自己調整学習 ~子どもたちが目標に向かって自走する姿を育む~
佐々木 瞭先生(︎郡山ザベリオ学園小学校)
シンキングツールを使ったチャレンジシートを利用することで、生徒の自主学習ノートの提出率がアップした実践の結果報告をしてくださいました。
先生自身も今後は生徒とともに自己調整学習を行なっていく必要があることについてもお話しいただきました。
雲雀丘学園小学校における自己調整学習・小学校社会科における自己調整学習
小田 剛士先生・松田 純子先生(︎雲雀丘学園小学校)
雲雀丘で取り組んでいる自己調整学習について、小田先生よりご紹介いただきました。普段の授業も、教師が教材の捉え方を変えることで、子どもが身につけられる力も変わると話されました。
「新聞作り」などのアウトプット活動を通して活動を通じて、子どもたちが主体的に学ぶ力を育成する実践をご紹介いただきました。 他者と協力しながら問題解決や自己表現を行う力を伸ばすことができると語られました。 また、個別学習から協働、そして自己調整のプロセスを経ることでで、学びをより深めることができるだけでなく、生涯にわたって学び続けようとする姿勢を育むことができると話されました。
全国初!全員取得!ロイロ認定校での自己調整学習『光と影』
塚本 伸一先生/坂本 卓馬先生(︎東海大学付属静岡翔洋小学校)
決まった日数・時数の中で子どもたちに確かな力を身につけさせるためには、教員自身が自己調整しながら自分自身の授業・立ち振る舞いをを改善していくことが大切だと述べられました。
また、自己調整学習のベースとなる見通しと振り返りについて、音楽や体育での実践をご紹介いただきました。
「ロイロでメタ認知~子どもが!教師が!「学びに向かう力」が育つロイロ認定校~」
今井 脩先生/荒濵 豊樹先生(︎城南学園小学校)
学校全体で、子どもと教員が共に学ぶプロセスを大切にし、自己調整学習を通じて、「学びに向かう力」を育むことを目指しているとお話しいただきました。 児童の自己調整力を育む実践として、単元の見通しを持たせ、学習プロセスの理解や振り返りを促進する「学習カード」の活用事例をご紹介いただきました。
児童同士が相互参照できる「ロイロバース」を活用して、学びを広げたり深めたりすることで、次の学習へとつなげる力が育まれると述べられました。さらに、仲間との対話を通じて自分の学びを調整していくことが、心理的安全性の向上につながるとお話しいただきました。
ロイロ認定校での取り組み、そして自己調整する校内授業研
與座幹太先生/梅下博道先生(︎ノートルダム学院小学校)
校内の研究をどのように推進していくのか、実際の取り組みをご紹介いただきました。一人一人の先生が自分事として授業の課題を捉え、子どもたちにつけたい力を具現化しておくことが大切だと語られました。
また、ロイロノートのプロット図で指導案を作成することで、同じ土台で教員同士の対話ができると紹介されました。
L-1優勝者によるプレゼン
デジタルワークシートで自己調整力をブースト!
久冨 哲朗 先生(亀岡市立詳徳中学校)
デジタルワークシートを活用することで、学習のメタ認知を高め、自己調整力を育むことができるとお話しいただきました。
デジタルワークシート作成のポイントとして、「学習履歴が可視化できること」「カスタマイズできること」「学びのゴールを共有できること」「参画・共創できること」の4つをご紹介いただきました。
自己調整学習で得た力を社会とつなげることが重要であり、学校の授業が外の世界(地域)への入口となることが大切だとお話しくださいました。
全体講演「自己調整学習とICT」
木村 明憲 氏(桃山学院教育大学准教授)
自己調整力がなぜ重要視されるのかについて詳しく解説いただきました。
児童生徒の自己調整力を育むことで、学習や行動が充実し、社会で幸せに生きる力につながるとのお話しがありました。そのため、教員は児童生徒が自ら学習を調整できる仕組みを整え、適切な見取りを通じて調整の方法を指導することが必要だと述べられました。
ICTを活用した自己調整学習の実践についても具体的な事例を交えてお話しいただきました。
学習計画表を使い、単元や授業ごとの目標を明確化することで、児童生徒が学習の見通しを持てるようにした事例や、Googleカレンダーを活用し、学習面だけでなく生活面でも自己調整を実現している事例が挙げられました。さらに、教科学習での学習計画を委員会活動や部活動に応用し、児童生徒が意欲的に取り組む様子についても紹介されました。
最後に、児童生徒が自己調整力を発揮するためには、行動面、感情面、そして動機づけの調整が重要であると締めくくられました。