【公開授業レポート】熊本市立五福小学校令和4年度公開授業及び授業研究会

【公開授業レポート】熊本市立五福小学校令和4年度公開授業及び授業研究会

2023年2月4日に実施された熊本市立五福小学校 令和4年度公開授業及び授業研究会についてのレポートです。
先進的なICTを活用した学びを実現している熊本市立五福小学校の公開授業では、児童生徒の活動だけでなく、先生方全員が双方向に学び合う新しい校内研修の方法も体験することができてました。全国から多くの先生方から注目されている五福小学校での学びについてご紹介します。
公開授業
熊本市立五福小学校では低学年・中学年・高学年の3つの授業が公開されました。
それぞれの学年に応じて、ICTを使って生徒が主体的で対話的に学ぶ工夫がなされていました
低学年(1年生)国語 くらべてよもう「子どもをまもる動物たち」
授業者 熊本市立五福小学校 矢野 香先生
助言者 熊本大学 前田 康裕先生

矢野先生の授業では、「子どもをまもる動物たち」を題材に、動物がどのような知恵をつかって子どもを守るのか考え、比較する活動が行われていました

単元・授業構想案
単元全体の構想案(左)と今回の公開授業で実施された授業の構想案(右)です

題材となる文章を読む
題材となる「子どもをまもる動物たち」を音読して内容の確認・前時の振り返りを行います
コチドリの「子どもをまもる作戦」を考え、話し合う
前時までに調べた他の動物の「子どもをまもる方法」との共通点・相違点を考えながら、本文に書かれているコチドリの「子どもをまもる作戦」をまとめます。
まとめた意見はペアで話し合います。
意見の発表
まとめた意見はロイロの提出箱に提出し、それぞれの意見を発表します
発表に対して子どもたちは感想や付け足しを加えていくことでお互いの意見嘉ら学ぶことができます
また、仮名の使い方の間違いや、よかったポイントなどを先生がその場で書き込みして指導することもできるため、児童は自分の発表内容から学ぶことができていました
ふりかえり
本時のまとめをノートにまとめてふりかえりを行います。
低学年では、ふりかえりはデータではなくノートに記入してまとめていました
中学年(2年生)社会 くらしを守る「事故や事件からくらしを守る」
授業者 熊本市立五福小学校 荒川 美穂子先生
助言者 桃山学院大学 木村 明憲先生

荒川先生の授業では五福小学校の校区内の事件や事故が起きやすい注意すべき場所や、警察署・交番などくらしを守る組織をまとめた「五福安全マップ」を作成していました。ロイロの地図カードの機能なども活用することによって、児童は自分が住んでいる場所の近くの安全マップを作成することができていました

単元・授業構想案
単元全体の構想案(左・中)と今回の公開授業で実施された授業の構想案(右)です

グループごとにマップ作りの計画を立てる
本日の課題が提示されたあと、各グループごとにマップ作りの計画を立てました
「どんな項目を書き込むか」「どれぐらいの時間をかけるか」など「活動計画」を話し合ってからマップの作成に取り掛かることで、児童は見通しを持った自発的な学習をする準備ができていました
計画の確認
実行の前に「実際にこの計画でマップを作ることができるか」計画の確認が行われました
グループ内で確認を終えた後、ペアグループ同士でそれぞれの計画を共有しました
マップ作り
計画に基づいてグループごとにマップづくりを行いました
作成計画を事前に立てることで各グループが主体的に自らの活動に取り組むことができていました
ふりかえり
本時の「うまくいったこと」「うまくいかなかったこと」をふりかえりシートに書き出すことで、次の時間、より良い活動をするにはどうすればいいか、児童自らが振り返ることができてました。
高学年(6年生)総合的な学習の時間「五福の町に恩返しをしよう」
授業者 熊本市立五福小学校 松尾 美紀子先生
助言者 放送大学 中川 一史先生

松尾先生の授業では五福校区のお店の魅力を自分の家族に伝えることをテーマに、グループごとにお店の20秒CMを作る取り組みがなされていました。生徒は1時間という限られた時間の中で20秒CMを作るために、ロイロだけでなくiMovieなども活用し、魅力的なCMを作り上げていました

単元・授業構想案
単元全体の構想案(左)と今回の公開授業で実施された授業の構想案(右)です
めあての共有・素材選び
本時のめあてや、前時までに学んだCM作りのポイントなどを確認した後、各班でCMのイメージを共有し、ストーリーに合う画像・映像・音楽などの素材を選びます
絵コンテでストーリーをまとめ、シンキングツールでCMを構成する要素を整理することでグループ全員で協力しながら素材選び・言葉選びをすることができていました
CM作成
素材選びが終わったらiMovieなどを使って実際に20秒のCMを作成しました
児童は試行錯誤を繰り返しながらお店の魅力がうまく家族に伝わるようなCM作りに取り組んでいました
CMの発表・相互評価
作成したCMはクラス全員に発表し、お互いの感想を共有します
お互いのCMを鑑賞・評価することでより良い活動のためのヒントを学ことができていました
ふりかえり
本日の「うまくいったこと」「うまくいかなかったこと」を振り返ることによって今後の活動のための具体的なふりかえりを児童自らが行うことができていました

授業研究会
公開授業終了後は、授業者・助言者・参加者によって授業研究会が行われました。授業研究会は五福小学校で実際に研修で行われているスタイルが採用され、ICTやロイロノート・スクールの機能を活用し、参加者全員の意見を共有しつつ、授業者・助言者が双方向で学び合う新しい研究会の形が提示されていました。

共有ノートで参加者の意見を共有
参加者は少人数のグループに分かれ、今回の公開授業について話し合いました。
出てきた意見は共有ノートに集約され、他のグループの意見もリアルタイムで参照することができていました。
登壇者や助言者も共有ノートを見ながら話し合いの最中でも臨機応変に活発な質問に回答することができるため、全員が活発な意見を交わすことができていました

参加者の意見・当日の写真も交えて助言者からのふりかえり
助言者の先生方も、共有ノートに出された意見や、当日の授業で撮影した写真なども交えてアドバイスを実施されていました
リアルタイムに情報を反映できるICTならではのインタラクティブなふりかえりは、授業者の先生方だけでなく、参加された先生方にとっても大きな学びにつながっていました

授業資料は全てオンラインで。フォーマットを統一してわかりやすく
公開授業の授業資料はオンラインで公開されており、参加者はいつでも自分の端末からデータを閲覧することができていました
また、全員の資料のフォーマットを統一することで一目で授業展開がわかる資料になっていました

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