【授業者インタビュー】複線型の授業を実現する共有ノートー城南学園小学校 荒濵豊樹先生ー

【授業者インタビュー】複線型の授業を実現する共有ノートー城南学園小学校 荒濵豊樹先生ー

ロイロ認定イノベーターの荒濵先生は、共有ノート上で児童が相互参照を行いながら複線型の授業を進める「ロイロバース」を実践されています。
即時共有・他者参照ができるロイロバースを使いながら、どのように複線型の授業や自己調整学習、自由進度学習を実現されているのかをインタビューしました。
インタビュー日時:2025年3月11日
参考動画 

授業者インタビュー
ロイロバースとは?
ロイロバースは、個別最適な学びを尊重しつつ、他者と学んでいける協働的な学び、この2つを行き来する学びを目指した実践だと紹介されました。子どもたちが自分の考えを整理しながら、リアルタイムで他者と共有し、相互に学び合うことが可能となります。
学びには、個人で深く考える時間と、他者と意見を交わしながら新たな視点を得る時間の両方が必要だと考えています。その2つをシームレスに行き来できる環境を作ることを目指しました。
特徴は、「複線型授業」を支援できることにあります。複線型授業とは、個人の思考を積み重ねながら、適切なタイミングで他者の視点と交わることで、学びをより深めていく授業スタイルのことです。従来の一斉指導とは異なり、学習の進め方や速度が柔軟に調整できる点が大きなメリットです。

「共有ノート」が生み出す学びの可能性とは?
ロイロバースの中心的な機能は「共有ノート」です。これによって、子どもたちは思考の過程をリアルタイムで共有し、他者参照を通じて学びを深めることができます。
先生が子どもたちの思考を見とることができるのはもちろん、子ども同士がプロセスを参照し合うことに大きな意味があります。授業の中で自己選択・自己決定をたくさんさせたいと考えています。子どもたちが自分のタイミングで学習を進める環境を作るためには、他者参照をメインで動かせる共有ノートが最適だと思っています。

学び方を学ぶために
自己調整学習を進めるためには、「学び方を学ぶ」ことが大切だと言われています。子どもたちに学習を委ねるために、最初は「他者参照の視点」や「他者参照の仕方」について繰り返し伝えながら「学び方を学ばせる」ことがポイントでした。
特に算数では、どうしても「答えを求めること」がゴールになりがちなので、プロセスの重要性を伝え、いろいろな考え方を参照することの意味を理解させました。最初は「示してあげる」必要がありました。例えば図形の問題なら、「図形を切ってくっつける方法」・「足りない部分を補ってから引く方法」といった考え方の違いを、「共有ノート」の二軸四象限で整理すると、子どもたちが自分で移動して学び合えるんです。
もし「共有ノート」がなかったら、「こんなふうに考えた人、手を挙げて!」と先生が関与する必要があるし、全員のノートを見て判断する手間も増える。しかし、「共有ノート」を使えば、リアルタイムで可視化されるので、子どもたちが「自分と同じ考えを持つ人を見つけ、自然に繋がる」ことができるんです。もちろん、最初は教える必要がありましたが、ある程度理解すると、子どもたちが自分たちで学びを深めるようになります。

自己調整学習における教師の役割は何か?
ロイロバースを活用した授業では、教師がどのように関わるべきかも重要なポイントとなります。基本的に、教師が授業中に介入するのは2回だけと話されました。
 ①導入時:「過去の学び」と「今日の学び」をつなぐ
 ②新たな視点を提示するタイミング:「他者参照」を促し、学びを深めるきっかけを作る
「はてな(疑問)」が授業内でいくつか出てきたときに、その疑問を可視化し、クラス全体の議論へとつなげる役割も担います。このように、途中で「新たな方向性」や「視点の転換」を促すことで、子どもたちの学びが深まっていくんです。
授業の最後には「発散した状態」で終わることが多いです。途中で「見方・考え方」をまとめる場面は作りますが、最後に先生がまとめることはしません。なぜなら、そのまとめをもとに、子供たちが「さらに深めていくフェーズ」に入るからです。深める時間では、先生は介入せず、子供たちに任せる。そして、最後の振り返りで、自分の学びを言語化して終わる。こういう流れにすることで、学びの主体が子供たちになるんです。

心理的安全性を高める「他者参照」と「対話」
「共有ノート」を使うことで、子どもたち同士の関係性を深めることができるんです。先生が「子どもたちを変えてやろう!」と頑張るのではなく、子どもたち自身が「他者参照」を通して成長していく環境を作ることが大事。だから、僕は「共有ノート」を学級経営にも活用しています。
例えば、振り返りのときに「二軸四象限」で自己評価をさせます。「算数が好き or 嫌い」「この単元が得意 or 苦手」こうした評価をさせることで、「自分と同じ立ち位置の子」と対話する機会が生まれます。さらに、「真逆の立場の子」とも話をさせることで、「違いを認め合う」経験を積み重ねることができます。これが、「心理的安全性」の土台となります。

板書の役割は?
従来の板書とは異なり、ロイロバースでは「思考を可視化するツール」としての役割があります。板書は個人の記録ではなく、学びのプロセスを残し、振り返りの材料として活用するものです。授業後も記録を確認できるので、欠席した子どもたちの学びの支援にもなります。
また、板書のデータをロイロバースに保存することで、生徒自身が振り返りをしやすくなり、学びの定着を促進することもできます。

実際の授業の様子
インタビューを実施した際に、実際の授業の様子も取材させていただきました。以下のページをご覧ください。

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