【授業見学レポート】日本女子大学附属豊明小学校授業見学

【授業見学レポート】日本女子大学附属豊明小学校授業見学

2022年11月24日に、日本女子大学附属豊明小学校を見学させていただきました。ICTをつかった先進的な学びを実現しておられる同校の見学記録をお伝えします。
小学校4年生算数 「直方体と立方体」 沼田亜希子先生
沼田先生の算数の授業では、「ハガキが100枚ぴったり入る大きさの箱をつくろう」という課題から、児童が立体の展開図や図形を構成する要素について実践的に学ぶことができていました。
授業の流れ
本時の課題の提示と予想
最初に「100枚のハガキが出し入れしやすいハガキケースをつくろう」という本時の課題が提示されました。
児童は用意された面のうち、どの面が必要か予想し、先生から送られてきた写真カードに記入していました。
実際のハガキの提示と意見の共有
児童が予想をしたあと、実際の100枚のはがきが配られ、そこから児童は自分の意見の修正と共有をおこないました。
自分の意見をまとめていくなかで、立体を構成する面や辺などの概念を体感的に理解していくことができていました。
組み立てと展開図についての説明
「実際に箱を組み立てるにはどのように面をならべればいいか」を実際に厚紙でつくられた面を動かして考えていきました。
児童は箱の組み立て方を考えていく中で、「展開図」についても学んでいくことができました。
ユニークな展開図を考えた児童のアイデアを全体に共有し、1つの立体に対しても多様な展開図が存在することを児童は学ぶことができていました。
活用のポイント
沼田先生の授業では、ICTを活用することを目的にするのではなく、アナログ・デジタルの双方の良さを取り入れた授業が展開されていました。
展開図のもととなる面など、実際に触ることによって理解が進むものについては厚紙でつくられた面を児童数分用意する、全員の意見の共有には写真やロイロのカードを使う、など、授業の場面に応じてアナログ・デジタルの使い分けが行われていました。

小学校5年生理科 「もののとけかた」田中栄太郎先生
田中先生の授業では、児童が実験をとおして、物質によってものの溶け方がどのように変わるか学ぶことができていました。
ロイロをつかって、Googleのスプレッドシートなども活用することによって自分たちのグループだけではなく、他のグループの意見を共有することもできていました。
実験の記録・過程をまとめる
実験中は、ロイロをつかってテキストや写真などさまざまな方法で過程や結果を記録することができていました。
結果だけでなく、過程も動画や写真で残すことによって、実験によっておこった変化の原因をたどることができるため、児童は「仮説をたてる」「実験する」「でてきた結果を考察する」という実験の一連の流れをより具体的に考えていくことができていました。
共有ノートの活用
各グループごとの実験の様子・結果は共有ノートでリアルタイムに共有されていました。
共有ノートで各グループごとの記録が共有されることで先生が各グループの様子を把握できるだけでなく、児童自身も他のグループの活動をいつでもみることができるようになっています。
先生からだけでなく、他のグループの活動からも学びを深めることができていました。
スプレッドシートで実験結果を共有・考察
ロイロのWebカードをつかうことで、Googleのスプレッドシートなどを活用することもできます。
田中先生の授業では、Googleのスプレッドシートを共有ノート上でWebカードで共有し、そこに児童がクラス全体の結果を書き込むことで、より詳細な考察を加えることができていました。
児童には「なぜ、実験結果にばらつきが生じたのか」を問いかけ、その理由を提出箱で共有しました。そこから自分たちの実験の各過程を振り返らせ、今後の実験をより的確に進めるにはどうすれば良いのか、自ら考えさせました。
活用のポイント
田中先生の授業ではICTを活用することで、児童相互の学び合いの場をつくることができていました。
また、積極的にロイロやICT機器を活用することで、児童自身もさまざまな場面でICTを活用することができるようになっており、zoomで欠席中の生徒に実験の様子を伝えているグループもみられました。
小学校5年生算数 分数のたし算とひき算 桑原正孝先生
桑原先生の授業では、古代エジプトの分数と現在の分数の違いを題材に、分数の性質と分数どうしのたし算について、児童が主体的に学ぶことができていました。

「3つのパンを5人で分ける」現在・古代エジプトではそれぞれどう考える?
「3つのパンを5人でわける」ことを題材に、現在・古代エジプトではどのように考えるのか提示されました。
3つのパンを5つにそれぞれわけて分配する=1/5×3=3/5と考える現在の分数に対して、分子が1に限定されている古代エジプトでは1/2+1/10として考えたことを示し、なぜそのように考えたのか児童に問題提起をしました。
古代エジプトの分数から、分数のたし算を考える
「3つのパンを5人で分ける」ことがなぜ、1/2+1/10で表すことができるのか、児童は実際にパンの図をかいたりしながら考えました。
紙のノートとちがい、何度もやりなおしができるロイロの画面で、児童は自分が納得のいく答えにたどりつくまで何度も試行錯誤をくりかえしました。
活用のポイント
桑原先生の授業では、児童が試行錯誤しながら課題の解決に挑む際に、「何度でもかきなおせる」「図や他のカードをカード内に自由にとりこめる」というロイロの特性がとてもよく生かされていました。
何度もきれいに書き直せるデジタル上での記述をつかうことで、児童は納得がいくまで何度も答えを考えることができていました。
また、提出された回答を全体に共有することで、児童にとって難しい分数のたし算の問題も、先生の回答からだけでなく、児童同士の回答からもお互い学び合う工夫がなされていました。

日本女子大学附属豊明小学校の先生方の授業案

動画


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