高1 数学 二次関数の最大・最小 生徒同士が伝えあうことを通して理解を深める【実践事例】(長野県須坂高等学校)

高1 数学 二次関数の最大・最小 生徒同士が伝えあうことを通して理解を深める【実践事例】(長野県須坂高等学校)


基本情報
授業担当者新井 隼冬
ICT環境1人1台タブレット
学年 / 教科高校1年 / 数学Ⅰ
単元2次関数の最大・最小
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〈実践の概要〉
「2次関数の最大・最小」の単元では、教師が一方的に説明をしても、納得できず苦手にする生徒が多い単元です。また、問題文が変化しても、解答の指針は同じになることが多い単元でもあります。そこで、授業ではたくさんの問題を演習するのではなく、1問から多くのことを学んで欲しいと考えました。また、生徒同士で解答を説明しあうことで、発表者が1番深く理解しなければいけないと気づくことや、発表者以外が質問することによりグループ全体の考えが深まることを学んで欲しいと思いました。そこで、グループを作り、代表者からメンバーに問題を説明する授業を構成しました。

〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
教師のコメント(書き込み)入りの問題の解説を配るのが容易になりました。
Web検索を利用することで、生徒がわからないことを学校配布の教材以外でも調べるようになり、主体的な学習が可能です。
生徒がグループのメンバーに伝える際に、ロイロノートで自作したカード(スライド)を使って説明するという、気軽に使える発表手段の1つが新たに生まれたと思います。
生徒に宿題等で自身の解答に音声をつけて提出を求めることで、生徒の考えが言語化され、「真の理解」に繋げることができると考えます。また、教師もそれを聞き、間違った認識をしてないかといったつまづきのポイントをより的確に把握できるようになっています。

〈実践の目標〉
教師に教わるのではなく、自らの頭や手で学ぶ楽しさや苦しさを理解する。
発表する立場になることで細部まで考え、より深い学習へつなげる。
1問から複数のわからないことを浮かべ、それらを発表者に質問し解消することで深い理解を行う。

〈授業写真〉


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〈場面1〉前時に、次回の内容のワークシートをロイロノートで配布
次回の授業で使う解答入りの問題を3題ロイロノートで配布しました。1グループ5〜6名のグループを作成し、その中で担当の問題を決め(1問につき2名が同じ問題を担当)、グループのメンバーに向けて発表してもらうよう準備することを伝えました。答えを読み上げることが説明ではなく、メンバーの質問にも答えられるよう、様々なことを深く調べるように促しました。

〈場面2〉前時で予習した内容と同じ問題を調べた人と確認
前時で配った解答入りの問題に対して、事前に予習してきた状態で本時を迎えます。まず、グループ内で同じ問題を調べた人がいるので、その人と内容の確認を行わせました。発表の前に内容を突き合わせることで、発表内容・説明の精選を行っていました。また他グループと確認をしている生徒もおり、責任があるからこそ、しっかり調べようという意識が見られました。

〈場面3〉グループで、自身の担当問題をそれぞれ発表(8〜10分×3)
発表者は問題の解答をあまり理解していないメンバーに発表するため、メンバーから出てくる様々な質問に対し的確に答えようとしていました。教師が必ず押さえたい見方・考え方は、教師から質問をしたり、カードを教師が作成し、全員に配ったりすることで押さえました。状況を見てその場でカードを作成して生徒にすぐ送れることはロイロノートのメリットです。

〈場面4〉発表された問題について、大切だと思うポイントをまとめる(5分)
発表者から聞いた内容について、ただ解答を覚えてしまうだけでは理解が深まりません。またなんとなく理解している人は問題の核心を理解できていません。そこで、各問題について大切だと思うポイントを全員にあげてもらいました。それぞれの問題についてロイロノートのカードを一人一人が作成し、全員に提出を求めました。

〈場面5〉提出されたカードについて、全体で共有(10分程度)
生徒の生の声がすぐに拾えるので、重要なポイントが書いてないときは、理解が浅いと判断し、教師からの指導を行いました。ポイントが書いてある場合は、該当カードを全体に共有し、生徒と発問を通して、重要なポイントを押さえました。ロイロノートを使って、生徒の声をすぐに拾い上げることで、生徒の考えを生かした授業により近づけられていると感じています。

〈場面6〉同じ問題を解き、生徒が自分の声で解説する課題を課す
授業で扱った問題と全く同じ問題をノートに解き、ノートの写真を撮ってロイロノートのスライドを作成。さらにそのスライドにその問題の解説の音声を入れて提出する課題を課しました。実際に一人一人の説明音声を聴くと、意味を間違って捉えていたり、深く理解していなかったり等がすぐわかりました。それらの内容を踏まえて、次回の授業に生かしました。

〈授業写真〉
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