(神奈川県立茅ケ崎西浜高等学校)(仮題)未来のコンビニを提案しよう【実践事例】

(神奈川県立茅ケ崎西浜高等学校)(仮題)未来のコンビニを提案しよう【実践事例】


基本情報
授業担当者鎌田高徳(情報科)、鈴木のり子(家庭科)
ICT環境1人1台タブレット
学年 / 教科1学年/総合的な探究の時間、家庭基礎、社会と情報(教科横断型)
単元未来のコンビニを提案しよう
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〈実践の概要〉
神奈川県立茅ケ崎西浜高等学校は、2年前より株式会社セブンイレブンジャパンと連携した授業実践を行なっていた。一昨年は家庭科が連携し、身近な人の問題点を考え、家庭科の知見を踏まえた上で、身近な人の問題を解決するコンビニの献立を提案する実践を行なった。そして昨年度は、家庭科だけではなく、情報科と「総合的な探求の時間」の授業も加わり、SDGsの視点を踏まえた上で未来のコンビニを提案しようという実践を行なった。他教科が横断的に実践を行うため、さまざまな教科で集めた資料をまとめ、提案する資料を作成するためにオーサリングツールとしてロイロノートを活用した。

〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
直感的に操作できるため、操作でとまどう生徒がほとんどいない。
教師側から見てデータの管理が容易であり、評価の作業効率が向上した。
引用記事を作成させるのに、Webページのキャプチャー機能とペン機能が効果的である。

〈実践の目標〉
SDGsの視点を踏まえた上で、未来の課題を発見しその解決策を提案できるようになる。
家庭科の視点を踏まえた上で、身近な人の生活の問題点を発見できるようになる。
情報科の視点を踏まえた上で、相手を納得させる提案ができるようになる。

〈授業写真〉家庭科のプリントと情報のロイロの画面

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〈場面1〉セブン-イレブン・ジャパン講演会
「総合的な探究の時間」を使い、セブンイレブンから、生徒へのミッションを発表した。商品開発とSDGsの視点を踏まえた企業の取組みについての講演や、「あなたは、某有名靴メーカーの営業をしています。靴を履く習慣がない地域に赴任しました。みなさんはどう考えますか」という質問に対して根拠を持った意見をワークシートへ記入し、意見をまわりの人と共有する時間を設けられた。企業理解と発想を広げ、生徒の主体性を引き出す工夫があった。

〈場面2〉総合的な探究(水平思考ゲーム)
「総合的な探求の時間」では、未来のコンビニを提案する上で必要な思考力として水平思考が必要だと考え、水平思考ゲームという活動を取り入れた。この活動は、出題者がクイズを出し、周りからの質問を受ける時に、「はい」か「いいえ」か「関係ありません」でしか出題者が返事しないなかから、答えを導き出す活動である。未来のコンビニを提案する上で、身近な垂直思考でなく、幅広い視野を持って考える垂直思考の概念は非常に重要であった。

〈場面3〉家庭基礎
教科家庭の「家庭基礎」では、身近な人の問題を家庭科のアプローチから明らかにした。第1段階として、身近な人を対象者として、年齢、性別、身体の特徴、職業、住んでいるところ、困っていること、趣味、趣向、生きがいなどをワークシートに整理した。第2段階として、対象者が10年後に抱える問題を生活環境、身体的特徴、自然環境など様々な角度から考えた。その後、SDGsの17のターゲットと169のゴール視点を身近な人の問題点と重ねて考えさせ、10年後にあるべきコンビニについてワークシートへ挙げていった。ワークシートは、ロイロノートにまとめるための資料として使えるために、まとめ上げることよりも、多数の発想や切り口からの気づきをメモする形式を重視した。

〈場面4〉社会と情報(ロイロノートを活用した発表資料制作)
教科情報の「社会と情報」では、2時間の授業数の中で家庭科の教科から仕上がってきたワークシートの内容をベースに6枚以上の発表資料を制作した。1.タイトル、2.身近な人の問題点、3.10年後の身近な人の問題点、4.提案する10年後のコンビニの姿、5.そのコンビニの案を補強する引用記事、6.SDGsの視点を踏まえたまとめ。以上の6点のポイントを踏まえた発表資料を制作させた。ここでのポイントはルーブリックで事前に明確な評価の内容を明示したことである。評価が明確になったことで、生徒たちはその評価に向かって短い期間で発表資料を完成させることができた。

〈場面5〉社会と情報(発表の様子と相互評価)
発表は「社会と情報」の1時間の授業数の中で行なった。具体的には4人1グループとなり、グループ内でルーブリックを活用した相互評価を行なった。生徒は発表資料制作の過程で、評価項目を理解していたため、評価項目の視点を踏まえた上で、しっかりとした相互評価が行えていた。また、提案する未来のコンビニの発表を通して、今回の課題は答えが分からない内容について取り組む活動であったため、他の人の発表がとても聞いていて楽しかったいう印象を持った生徒がいた。普段の授業では垂直思考的な解を求められるが、水平思考的な考え方を養う授業は、これからの予測できない未来を考える上で必要な思考力になるのではと感じた。

〈場面6〉教師が評価する上でのメリット
本来であれば、各クラスの発表を通して代表者を選定し、セブンイレブンジャパンの担当者も招いた上で学年全体での発表会を予定していたが、新型コロナウィルスの影響で休校措置が取られたため中止となった。ただ、ロイロノートに提出された生徒の課題を評価していて、非常にスムーズに評価を行うことができた。iPadで提出先のデータを表示し、スワイプするだけで作品の評価が行えた。PCで評価するとなると、何度もクリックしたりファイルを開いたりするため、処理に時間がかかっていたため、非常にストレスなく評価を行うことができた。

〈授業写真〉セブンイレブン・家庭基礎・社会と情報
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