【認定校イベント】LOILO ACADEMIC FORUM 2026ー東海大学付属静岡翔洋小学校ー

2026年9月18日(金)、東海大学付属静岡翔洋小学校にて開催されたロイロ認定校イベントのレポートです。ロイロ認定校として2年目を迎え、教員全員が「ロイロ認定ティーチャー」として授業づくりに取り組む同校。
今回は、同じくロイロ認定校である敬愛小学校の龍 達也先生、梅下 博道先生による、5年理科・6年特別活動の公開授業と全体講演が行われました。
子どもたちが自ら考え、対話しながら学びを深めていく授業の姿と、ICTを生かしたこれからの学校・授業づくりについて、参加者とともに考える一日となりました。

5年生 理科「五感で観察し、理科で解き明かす」
授業者 梅下 博道先生(敬愛小学校)
「美しいウォータークラウンをチームで撮影しよう」という課題が提示されました。課題の提示とともに、5年生の理科においては「条件」が大事であることを確認されました。子どもたちは、どんな条件が重要になりそうかを考え、チームで試行錯誤しながら、課題に取り組みました。
1枚ポートフォリオの活用
授業の冒頭、授業の流れを説明された後、ポートフォリオが配布されました。
自分の目標を立てる
ポートフォリオには、今日、全員で取り組む課題と授業の流れが記載されています。見通しをもった状態で、「今日の自分目標」を立てます。「美しく撮影する」「美しく撮れる条件を考える」など、自分なりの目標を持って活動に入る姿が印象的でした。
チームで作戦を立てる
「美しく撮影する」ためにはどのような条件が必要か、チームで作戦を考えます。注ぐ量や水滴を落とす高さ、光の当て方など、子どもたちはさまざまな視点から考えを広げていました。また、チームで作戦を遂行するための役割分担も考えていました。
リフレクション
今日の振り返りを最下段に記載します。特に、今日のテーマである「条件」に触れることができるように声をかけられていました。最後に、この条件を整えるということが、他の単元でも重要になることを強調されていました。
理科的な思考を促す
ただ実験を楽しむだけではない、理科的な思考を促す手立てがたくさん盛り込まれていました。
まずは実験!試してみる
作戦を立てた後は、まずは10分間、とにかく手を動かして試してみる時間を取られました。子どもたちは与えられた実験道具を使いながら、どうすれば美しいものが撮影できるかを夢中になって考えていました。
中間発表
こうすればうまく撮影できたという条件を、テキストカードに言葉でまとめ、全体でシェアします。「高いところから落とす」と意見を出した子どもに対して、「どれくらいの高さ?」と問い返すなど、子どもの思考がより活発になるような関わり方をされていました。
再挑戦
自分たちが思いつかなかった条件も参考にしながら、再度撮影にチャレンジします。落とす量を減らす、高さをおでこの位置で固定するなど、子どもたちなりの工夫が見られました。最後にグループのベストショットを全体で共有しました。

6年生 特別活動「未来を変えるための3つの方法」
授業者 龍 達也先生(敬愛小学校)
子どもたちが出会う未来とは?
激変する時代をどう生き抜くか
社会が大きく変化し、先行きが不透明なこれからの時代において、子どもたちはどのような未来を迎えるのでしょうか。龍先生は、将来の社会の変化や「仕事」のあり方について、ある印象的な海外のエピソードを交えながら問題提起されました。「これまで通り」が通用しない未来を前に、子どもたちは真剣な表情で先生の言葉に耳を傾けていました。そんな予測困難な時代を切り拓くために必要な「3つの視点」が、授業の中で解き明かされていきました。
未来を変えるための3つのアプローチ
体験から学ぶ「ものの見方」
まずは、画面を使った体験型のワークからスタートしました。一見シンプルに見える問いかけの中に仕掛けられたある体験を通して、教室からは大きな驚きの声が上がります。「自分が見ている世界」がいかに偏っているか、そして「視点を変えること」が自分自身の可能性をどう広げるのかを、子どもたちは身をもって実感している様子でした。固定観念を外した先にある新しい自分との出会いに、会場は大いに盛り上がりました。

心を揺さぶる「挑戦の物語」
続いて紹介されたのは、想像を絶する困難に直面しながらも自らの夢を切り拓いた、ある人物の感動的な実話です。教室は水を打ったように静まり返り、子どもたちは前のめりになってその生き様を見つめていました。「目の前の壁にどう向き合うか」によって未来の景色が劇的に変わるという力強いメッセージは、これから多くの挑戦を控える子どもたちの心に深く刺さったようです。

前へ進むための「原動力」
最後に語られたのは、日々の何気ない生活の中に隠されている、前進するための大切なヒントでした。自分自身を支えてくれている存在に目を向けることの大切さが語られると、子どもたちの表情はどこか温かく、引き締まったものへと変わっていきました。授業後の振り返りシートには、「今までの自分を見つめ直したい」「目の前の不安から逃げずに立ち向かいたい」といった決意に満ちた前向きな言葉が数多く並び、子どもたちにとって大きな転機となる時間となりました。


全体講演「幼小のICT導入における学校活性化」
授業者 龍 達也先生(敬愛小学校)
人生100年時代における子どもたちに必要な力
急速に変化する社会と求められる資質・能力
社会構造やテクノロジーが目覚ましい進化を遂げる現代において、人々のキャリアや働き方はこれまでにない転換期を迎えています。龍先生は、最新テクノロジーの台頭による社会の変化を挙げながら、これまでの教育観や「当たり前」を疑う重要性を提起されました。情報があふれ未来の予測が難しい時代だからこそ、自ら真偽を見極め、適切に意思決定していく力を子どもたちにどう育むべきか、これからの時代に欠かせない資質・能力について深く言及されました。

教育現場のパラダイムシフト
社会の変化に伴い、学校教育のあり方そのものも変革が求められています。従来の「知識を受け取る学び」から、子どもたちが主体となって価値を生み出す「創造的な学び」への移行についてお話しいただきました。その核となるのが「日々の授業」であり、子どもたちの知的好奇心や学ぶ楽しさをいかに引き出すかを、学校全体で徹底して追求されている姿勢が熱く語られました。
敬愛小学校・敬愛幼稚園の実践から学ぶアプローチ
「自ら動き出す力」を育む授業デザイン
敬愛小学校が掲げる教育方針のもと、思考を実際の行動へと結びつけるための緻密な授業設計が紹介されました。子どもたちが受け身にならず、思考を深め、仲間と高め合いながら表現へとつなげていく独自の学習プロセスには、参加した職員からも多くの共感の声が寄せられました。子どもたちの主体的な活動を生み出すための明確な授業の仕掛けに、多くの参加者が熱心にメモを取っていました。
教員のワクワクが生み出す好循環
子どもたちが夢中になる授業をつくるためには、まず教員自身がワクワクして教育に向き合える環境が不可欠であると龍先生は強調されました。授業の質を高めるための時間を生み出すべく、最新ツールを活用した業務改善や校務の効率化など、組織として進めている先進的な取り組みについても触れられました。

幼児期におけるデジタルのあり方
幼児教育におけるICTの関わり方については、実体験や五感を通した学びを基盤としつつ、デジタルをどのようなバランスで融合させるべきかという明確な指針が示されました。アプリを活用した創造性を引き出すワークや、子どもの興味・関心を広げる効果的な活用事例が紹介され、単なるツールの導入にとどまらず、子ども同士の対話や表現を深める手段として位置づける重要性が語られました。学校・園の未来を切り拓くヒントに満ちた、極めて示唆に富む講演となりました。

ロイロ認定校について
ロイロでは、先生方の学び合いをより加速させていくためにロイロ認定自治体・ロイロ認定校の制度をスタートしました。
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