【授業者インタビュー】自己調整学習を支えるロイロノートー岐阜市立加納小学校ー
岐阜市立加納小学校では、自己調整学習を取り入れ、児童が主体的に学ぶ授業が行われています。
今回は寺澤先生(算数)と五島先生(社会)に、自己調整学習を推進していく上で、どのようにロイロノートを活用されているのかインタビューを行いました。
LoiLoNoteを使った自己調整学習の可能性を、先生の声とともに紹介します。
インタビュー日時:2025年2月13日
授業者インタビュー
自己調整学習とロイロ
自己調整学習とロイロのどんな機能と特に相性が良いのか?
ロイロで自己調整学習を進める上でのポイントの1つに、「提出箱での共有」があると話されました。直接友達に聞きに行くこともできますが、全員が積極的にできるわけではありません。一方、提出箱を使えば、他の意見を見ながら自分で取捨選択し、安心して学ぶことができると語られました。
社会科では、ロイロを活用することで単元全体の学習記録が残るため、導入時の考えと現在の考えの変化を自ら捉えることが可能になります。
算数科では、提出箱での共有によって友達の思考が可視化されることがポイントになります。これが自己調整の動き出しのきっかけとなり、「自分とは違う考えを試してみよう」「分からないから聞きに行こう」「説明しに行こう」といったように、学習方法や関わる相手を自分で選択する行動につながると語られました。
自己調整学習を進める上でポイントにしていることは?
自己調整学習を促すために大切なこととして、「予想を立てること」と「学び方を知ること」の重要性に言及されました。
社会科では、特に「予想を立てる活動を丁寧に行う」ことを意識されているとのこと。自己調整を生み出すには、学習のスタート時にしっかりと予想を立てることが重要であると語られました。
一方、算数科では、子どもたちが「学び方を知っていること」が鍵になると指摘されました。学び方を知らなければ主体的に学ぶことは難しく、単元全体を見通しながら、一斉学習と自由に学ぶ時間を意図的に設定することが重要であると説明されました。
ロイロが入る前と現在の授業の違い
社会科では、以前は教科書や資料集の膨大な情報から自分で必要なものを読み取る必要があり、紙にまとめて配布すると年間で膨大な枚数になっていたとのこと。しかし、ロイロを使うことで、先生が厳選した資料をまとめて送信できるようになり、さらに過去の単元資料をいつでも見返せるようになったと語られました。
算数科では、多様な考えが生まれる学習では、これまで1つの考えを表現するために紙を取りに行く必要がありました。しかし、ロイロを活用することでコピーや複製、やり直しが容易になり、自己調整を促す環境が整ったとのこと。紙の配布や貼り付けの手間が省けることで、考えの再構築により多くの時間を割くことができると説明されました。
どこから自己調整学習を始めたのか?
自己調整学習をどのように始めたのかについて、先生は徐々に子どもに学びを委ねることが大切だと語られました。具体的には、「今日は追究だけ」「今日は振り返りだけ」といった形で、少しずつ学習の主導権を子どもに渡していったとのこと。
また、最初はたった5分でも良いので、子ども自身が学習の場や方法を選択・決定する時間を意図的に設けることが重要であると説明されました。
教師の役割
自己調整学習における教師の役割とは?
自己調整学習を進める上で、教師の役割について先生は「一人ひとりを見取ることが絶対的に重要」と語られました。 まず、子どもたちの得意不得意やつまずきを把握した上で支援を行い、考えのズレや飛躍を適切に修正する声かけや、良い考えを勝ちづけることが大切だと説明されました。また、支援の際には、教師が直接介入するのか、子ども同士をつなぐのかを見極めることも求められると指摘されました。
また、常に子どもたちに委ねるわけではなく、単元の中で「どこを一斉学習にするのか」「どこから任せるのか」を見極めることも教師の役割であると語られました。これは単元ごとだけでなく、年間を通して意識することが重要だと説明されました。
さらに、学びを授業や学校内で終わらせず、社会とのつながりを意識させることも重要だと強調されました。子どもたちが学びを広げられるよう、適切な声かけや働きかけを行うことが求められるとのこと。
学び方を学ぶために、どんな働きかけを行ったのか?
子どもたちが困ったときに「友達の考えを見る」「前年度の教科書を参考にする」「今の教科書からヒントを得る」といった方法を教え、つまずいた際の動き方を身につけられるよう支援されたとのこと。反対に、学習が早く終わった場合には、「これまでの学びとのつながりを振り返る」「今後の学びを見通す」「別の問題に置き換えて考える」といった視点を持たせることも意識されたそうです。
また、「聞く力」を育てることも自己調整力の向上につながると説明されました。「自分と友達の考えは似ているのか?違うのか?その根拠は?」といった視点で話を聞き分ける力を養うことが、主体的な学びへとつながると語られました。こうした習慣を積み重ねることで、最終的には教師の指示がなくても子どもたちが自ら学びを進められるようになるとのことです。
学級経営を含めて、安心して学べるように意識していることは?
安心して学べる環境をつくるために、先生は「自己決定の機会を常に設けること」を意識されていると語られました。授業の中で「どう思う?」「どうしたい?」と問いかけることで、子どもたちが自分で考え、選択する場を意図的につくることが大切だと説明されました。
また、困ったときに頼れる環境を整えることも重要だと強調されました。友達・先生・教材・ICTツールなど、学習の支えとなる選択肢を常に確保し、安心して相談できる関係を築くことが鍵になるとのこと。さらに、困り感を共有し、共感できる関係を育むことも、学びを深める上で欠かせない要素であると語られました。
実際の授業の様子
インタビューを実施した際に、実際の授業の様子も取材させていただきました。以下のページをご覧ください。
資料請求・利用についてのお問い合わせ
資料請求
ロイロのご紹介資料はこちらからダウンロードしていただけます
郵送ご希望の方は以下のフォームからご入力お願いします
注意
パンフレットは無償で郵送させていただきます。
利用についてのお問い合わせ
ロイロは導入初年度の1年間は無償でご利用いただけます。また、先生方のみのご利用は永年無料です。
お問い合わせ・ご利用ご希望は以下のリンクからお願いいたします