小6 体育 ICTを用いて仲間と課題を共有し、チームで成長することを目指したタグラグビー【実践事例】 (深圳日本人学校)

小6 体育 ICTを用いて仲間と課題を共有し、チームで成長することを目指したタグラグビー【実践事例】 (深圳日本人学校)


基本情報
授業担当者小林 和弘
ICT環境2人1台タブレット 2クラス1台電子黒板 ロイロノート
学年 / 教科小学6年生/体育科
単元タグラグビー
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〈実践の概要〉
本学級の児童は、運動能力や運動技能が低く、運動への劣等感も大きい児童が多い。そのため、体育の授業中、「どのように動いたらいいか分からない」「体をどう動かせばいいか分からない」といった言葉を聞くことが多く、個々に課題をもっている。そこで、本実践では、画像や動画を参考に自己の課題を明確にし、目標となる動きのポイントや作戦を可視化し、チームのメンバーが仲間の課題を共有する中でアドバイスをしたり作戦を話し合ったりする姿を目指した。

〈電子黒板やロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
①ロイロノートに教師の板書を写真でおさめることで、前時までに学習した目標となる動きや技法のポイントを参考に、より具体的な自己の課題をもつことができる。
②ロイロノートに練習や試合中のよい動きの動画を「アドバイス」という形で撮りためていくことで、家庭でも自己の動きを分析することができる。それに伴い、体育授業内で体を動かす時間を確保することができる。
③電子黒板に動画を映し出すことで、動きのよさやスペースを軌跡図として残し、共有しやすくなる。

〈実践の目標〉
①ボール操作とボールを持たないときの動きによって、タグラグビーに必要な動きを使ってチームの作戦に貢献できる。                            【知識・技能】
②自己の課題や自チームの特性に合った作戦を考え、自己や仲間の考えたことを他者に伝えることができる。※自己の課題の定義:もっとうまくなりたい動き、自分のよさをさらによくしたい動き 【思考・判断・表現】
③ゲームや練習の中で互いの動きを見合ってアドバイスをしたり、話し合いをする際には仲間の考えや取組を認めたりすることができる。   【主体的に学習に取り組む態度】

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〈場面1〉第1次【ラン攻撃・パス攻撃を使ってタグラグビーを楽しもう】
目標となる動きや技法を「ラン攻撃のコツ」「パス攻撃のコツ」「スペース(動き)のコツ」という3つのポイントにまとめ、チームキャプテンに撮影を依頼し、ロイロノートにアップさせた。また、「○○さんへのアドバイス・よい動き」フォルダを教師が作成し、自己の課題解決に向けて練習している友達の動画を保存させた。

〈場面2〉第2次【自分達で作戦を考え、ゲームを楽しもう】
授業中にホワイトボードに自分達で考えた作戦を書かせた。その記録をキャプテンに撮影させ、ロイロノートにアップさせた。中には、自分達で考えたコツを撮影し、ロイロノートにアップし、共有しているチームもあった。また、「○○さんへのアドバイス・よい動き」フォルダへ試合中の友達の動画を保存させた。

〈授業写真〉

〈成果と課題〉
ロイロノートを使用することで、「どのように動いたらいいか分からない」とよく言葉にしていた児童達が、自己の課題を意識し意欲的に活動できた。ロイロノートに学習してきたポイントを写真で残したことで繰り返し見ることができ、目標となる動き(技能)を意識し続けられたからだと考えられる。また、ロイロノートに蓄積することで、これまで難しかった「学校で学習した画像や動画」を家庭で繰り返し自己の動きを見ることができ、家族からアドバイスをもらうことも可能となったことで、自己の課題解決におおいに役立った。また、「思考・判断・表現を養うために必要な作戦タイム(話し合いの時間)をとると体を動かす時間が短くなる」という体育科の課題も改善することができた。
課題としては、電子黒板を有効に使えなかったことである。ボール運動では動きに変化が多く、速すぎるため軌跡図を残すことが難しかった。器械運動や陸上運動など個の動きを追求する学習により効果を発揮するのでは、という新たな発見にもつながった。
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