高2 国語 「南院の競射」 歴史物語 『大鏡』 【授業案】 日本体育大学柏高等学校 浅沼 順子
| 学年 / 教科 | 高2/国語 |
| 単元 | 歴史物語 『大鏡』 |
| 指導要領 | 伝統的な言語文化(イ)文語の決まり |
| 教科書会社 | 数研出版 |
| 授業者 | 浅沼 順子(日本体育大学柏高等学校) |
| 投稿日 | 2025年9月30日 |
単元の一部
解説動画
作成者からのアピールポイント
これがやりたかった、という敬語の学びをロイロが可能にしてくれました。文の中から敬語を取り出し自由自在に移動させる中からの学び。その入れ物は今回自分の作った型にも色々なシンキングツールで作れると思います。「弓争い」も最高に魅力的な作品なので、このプロット図は初期型と考え、今後もよりいっそう進化させたいと思っています。
この授業案のインポート用ノートデータ
【展開1】敬語を抽出しよう
授業で本文のあらすじ・動作主・敬語の種類までは確認がしてあり、敬意の方向を考えさせる手前で、体系的に敬語を捉える作業です。
『大鏡』の本文中から敬語表現をウェビングカードにすべて抜き出す。その際、「一つの動作」を一枚のカードに縦書きに抜き出させる。単語の切れ目は一字あけ、敬語ではない本動詞は青で仮入れさせる。本文では助動詞「さす」が尊敬・使役の二種類出てくるので、使役のものは赤書きに変換させ難易度を下げておく。
抜き出したものを今度はWチャートへ移動し、動作主別に分けて配置させる。
生徒の実力に合わせて適宜アドバイスを与え、なかなか出ない場合はヒントカードを配布する。
【展開2】敬語を識別しよう
展開1で抽出した単語を、今度は敬語の種類別に分ける。古典の手引き(副教材)の敬語一覧を見ながら、生徒個々に考えてカードを移動させる指示を出す。副教材の敬語一覧とカードの配置を対応させると生徒も考えやすい。『大鏡』では尊敬・謙譲・本動詞・補助動詞の基本の識別の他、特殊な敬語法として最高敬語・二方面への敬語も分けて入れさせる必要がある。
生徒に全体をまとめる上で気づいたことをあげさせ、敬語として尊敬の補助動詞「給ふ」が多用されているという特徴や、最高敬語と二方面の敬意の敬意のちがいについては指摘がなければ解説を添える。内容が重複しているものは複製で対応。
【展開3】大宅世継の評価に迫ろう
展開1,2のカードをよく吟味し、地の文での敬語の使われ方から『大鏡』の話者とされる大宅世継の中での敬意は誰が最高位となるか、序列をつけてみよう。
【展開4】確認クイズと振り返り
この授業を通して、整理された敬語表現を、実際の演習問題で答えながら達成感を感じられるか、チェック。振り返りのカードでは、今回わかったところとその要因、次回への課題などをまとめることで継続的な学習による理解へとつなげていく。