中2 社会科 日本の諸地域(東北地方と北海道地方) ロイロノートを活用した日本の諸地域のおける追究活動の実践【実践事例】 (深圳日本人学校)

中2 社会科 日本の諸地域(東北地方と北海道地方) ロイロノートを活用した日本の諸地域のおける追究活動の実践【実践事例】 (深圳日本人学校)


基本情報
授業担当者樋口 康彦
ICT環境1人1台タブレット 電子黒板 ロイロノート
学年 / 教科中学2年生/社会科
単元日本の諸地域(東北地方と北海道地方)
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〈実践の概要〉
本校の定義付けした個別最適化の階層レベル3を意識した。東北地方と北海道地方の地域的特色の概要から、追究テーマをもたせ、調べたことをまとめさせ、発信する実践である。ロイロノートにまとめることで、資料の活用や学びの蓄積、共有という点で効果があり、生徒にとって深い学びにつなげることができた。

〈電子黒板やロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
①ロイロノートでまとめることを通じて、学びの蓄積を意識して活動に取り組むことができる。
②生徒がまとめた成果物が生徒間での共有がしやすく、またグラフや図、地図の活用がしやすい。
③生徒の発表を共有する際に、電子黒板を用いることで生徒のプレゼンテーションの技能が向上し、聞き手にとって視覚的に訴えかけることができる。
④デジタル上での評価が可能になるため、指導と評価の一体化につなげやすい。

〈実践の目標〉
①地域の課題を持続可能性に注目し、考えをまとめることができる。
②地域の広がりや地域内の結び付き、人々の対応に着目して、課題等と関連付けて多面的・多角的に考察・表現することができる。
③自然環境、人口、資源・エネルギーと産業、交通・通信の観点から地域的特色について理解する。

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〈場面1〉第1次【東北地方】
生徒は、日本の諸地域の活動を積み重ねており、それぞれの地域ごとの特色や課題を見い出し、考えを整理しながら学習に取り組んできた。東北地方では、まず地域的特色について自然環境、人口、資源・エネルギーと産業、交通・通信の観点から概要をつかんだ。そこから、東北地方の持続可能性と伝統文化に注目し、それぞれが追究テーマを考えた。東北地方6県を分担し、各県に伝わる伝統とは何か、また伝統をつなぐために何が行われているのか、そして何が必要なのかを考える活動に取り組んだ。生徒は、最終的に6つの県の内容を共有し、東北地方6県から見えてきた、伝統に対する捉え方や、持続可能性を意識した取り組み、また一人の社会の担い手として、どう関わっていくかなど考えをもつことができた。

〈場面2〉第2次【北海道地方】
北海道地方でも、まず地域的特色について概要をつかんだ。東北地方の学習とのつながりを意識し、歴史・伝統を切り口に追究テーマを考えた。歴史から見えてくる、領土問題、アイヌ、開拓、自然環境、観光、周りの地域とのつながりなどである。ロイロノートで調べたことや考えたことをまとめていく。ペアで活動に取り組み、テーマに対して考えが整理できているかどうかを確認しながら取り組んだ。全体での意見を共有したのち、北海道とはどのような地域的特色をもつ地域かを考えた。これについてもロイロノートで共有し、生徒同士で考えを深めることにつながった。
また、遠隔による学習支援の点からも、ロイロノートではグループ活動に取り組みやすい。日本から深圳へ復学した生徒も隔離期間中にオンラインで授業に参加したが、Zoomを通して授業を受講し、グループ活動ではロイロノートでまとめたものをもとに、話し合いに参加することができた。

〈授業写真〉

〈成果と課題〉
東北地方と北海道地方を中心に、ロイロノートを活用して実践に取り組むことができた。日本の諸地域での蓄積も可能であるし、世界の諸地域でも学習の積み重ねを意識した単元構想を立て、学習活動を展開することができる可能性も感じた。
社会科という教科の特性もあるかもしれないが、地理的分野の図やグラフ、地図などの資料活用や分析、発表においても、ロイロノートでは扱いやすく、効果がある。一方で課題としては、生徒の伝えたいことや調べたいことなどが多岐にわたってしまう。何を学ぶのかを生徒自身が意識するために、追究したいテーマを精選させるという活動の軌道修正や助言、個別最適化した指導の在り方がより重要になる。
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